インド、初の太陽観測衛星の打ち上げに成功

インド宇宙研究機構（ISRO）は9月2日、国内初となる太陽観測衛星「アディティヤL1」の打ち上げに成功した。インド南部アンドラ・プラデシュ州シュリハリコタにあるサティッシュ・ダワン宇宙センターから打ち上げられた同衛星は、約4カ月後に地球から150万キロ離れた観測地点に到着する予定で、太陽表面の爆発現象「フレア」の観測などを行う。

打ち上げ成功に際し、ナレンドラ・モディ首相は「インドは、全人類の繁栄に向けて宇宙の理解促進のために努力を続ける」と発言したと報じられている（9月2日「インディア・トゥデー」紙）。インドは8月23日に無人探査機「チャンドラヤーン3号」の月面着陸を成功させたばかりだ。

モディ首相はかねて、宇宙産業を重視し、同分野はスタートアップをはじめとするプライベートセクターの活発なエコシステム育成に向けて可能性に満ちていると述べている。今回の一連のプロジェクトも、9月9～10日にインドで開催される第18回G20首脳会合を目前に控え、各国にアピールする狙いがあるとみられている。今後のインド宇宙産業の発展が期待されている。

（深津佑野）