日立ペイメントサービス、インド国内初のUPI対応ATMを開設

(インド、日本)

調査部アジア大洋州課

2023年09月15日

日立製作所の子会社、日立ペイメントサービスは9月5日、電子決済システム「総合決済インターフェース(UPI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に対応する「ホワイトラベルATM」(注1)をインド決済公社(NPCI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの協力を受けて開設したと発表した。UPI対応のホワイトラベルATM開設はインド国内初で、カードレスで安全な現金引き出しが可能となる。

同社のスミル・ビカムシー・キャッシュビジネス担当CEO(最高経営責任者)は「インド国内で初めてUPI対応のホワイトラベルATMを開設できたことをとてもうれしく思う。これにより、利用銀行にかかわらず、QRコードによる現金引き出しが可能となった。UPIは国内最速スピードで成長している決済手段で、国内50%以上のデジタル取引規模を誇っている。今回発表したUPI対応のホワイトラベルATMは、全国民がアクセス可能な革新的な銀行サービス創出に向けた当社のコミットメントだ」と述べた。

同社は2008年に創業し、現在ではインド国内で6万5,500台以上のATMとCRM(銀行向け顧客管理システム)を展開している。今回の発表により、従来の銀行インフラやカード浸透率が限定的なインドで、金融包摂(注2)の推進に効果が期待される。

(注1)複数の金融機関が共同利用するATMのこと。

(注2)ファイナンシャルインクルージョン。世界銀行は「全ての人々が経済活動のチャンスを捉えるため、また、経済的に不安定な状況を軽減するために必要とされる金融サービスにアクセスでき、また、それを利用できる状況」と定義している。

(深津佑野)

(インド、日本)

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