第2四半期GDP成長率、前年同期比マイナス3.1%、減少幅は縮小

(スリランカ)

コロンボ発

2023年09月25日

スリランカ・センサス統計局は9月15日、2023年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率は前年同期比マイナス3.1%だったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2022年第1四半期(1~3月)から6四半期連続のマイナス成長となる。下落幅は直前2023年第1四半期のマイナス11.5%より減少し、2022年春以降に同国を襲った経済の急激な悪化には歯止めがかかりつつある。

同時期の産業別成長率では、農林水産業が3.6%となったが、鉱工業がマイナス11.5%、サービス産業がマイナス0.8%と減少した。農林水産業では、穀物の栽培が44.4%、コメの栽培が19.8%拡大した。他方、鉱工業では、鉱業・採石業がマイナス24.3%、建設業がマイナス23.1%と低下し、大きく落ち込んだ。サービス産業では、金融サービス活動でマイナス18.8%と減少した一方で、宿泊・飲食サービス業が34.2%の成長を見せた(添付資料表参照)。

センサス・統計局はマイナス成長の要因として、高金利政策による投資の落ち込みや、実質所得の減少による個人消費の低迷などを指摘している。加えて、原材料価格の高騰が国際競争力の低下をもたらし、輸出量が減少したためと分析している。

スリランカ中央銀行は物価高騰に対処するため、2022年4月以降、高金利による金融引き締め政策を実施してきたが、物価上昇速度の緩和に伴い、2023年6月には中銀貸出金利を16.5%から14.0%に、中銀預金金利を15.5%から13.0%へ引き下げた(2023年6月6日記事参照)。2023年7月にも再度利下げし、中銀貸出金利は12.0%、中銀預金金利は11.0%となった。なお、8月のコロンボのインフレ率は前年同月比4.0%に落ち着いている(2023年9月7日記事参照)。

スリランカの輸出額は、主力輸出品のアパレル製品に対する欧米での需要低下に伴い、低調に推移している。7月の輸出額は10億2,040万ドルで、前年同月比12.4%の減少で、2022年10月から10カ月連続のマイナスとなっている。

(大井裕貴)

(スリランカ)

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