インドネシア商業省、ソーシャルコマース規制を強化する商業大臣規定を公布・施行

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年10月04日

インドネシア商業省は9月27日、インターネット上の交流サイト(SNS)など経由で電子商取引(EC)を行う「ソーシャルコマース」を通じた商品の売買や越境ECにかかる新たな規制を定めた商業大臣規定2023年第31号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を9月25日に公布、翌26日に施行したと発表した。

商業大臣規定2023年第31号は、EC事業の許可や監督に関する商業省大臣規定(2020年第50号)の改正令に当たる。ソーシャルメディアのプラットフォーム運営者に対して、商品・サービスのプロモーションのみを認め、EC機能をソーシャルメディアから切り離すように義務付けた。

このほか、FOB価格100ドル以上の商品のみ輸入を許可し、100ドル未満の商品の販売を禁止すること、プラットフォーム運営事業者とそれを利用する事業者には国家規格(SNI)の認証やハラル認証など、規格を満たしていることを示す証拠の提示を義務化することなどを定めた。また、100ドル未満の製品で輸入が可能となる商品については、関係省庁の協議結果に基づき大臣が決定するとされた。

上記規定を違反したECプラットフォーム運営者に対しては警告書が発行される。最初の警告から14日以内に3回を限度として警告書が発行され、改善が見られない場合には行政処分の対象となり、一時的なサービス停止や事業許可の取り消しが行われる。

ECにかかる業界団体、最高裁に司法審査を請求

電子商取引物流業者協会(APLE)は9月28日、上記の商業大臣規定に関し、最高裁に司法審査を請求する方針である旨を明らかにした。同協会のソニー・ハルソノ会長は「輸入品に制限を課すことで密輸品の増加を招きかねず、中小零細企業に悪影響を与える可能性がある。また、物流業界で働く人々の大量解雇なども招く恐れもあり、業界の損失は600億ルピア~1,000億ルピア(約5億7,600万円~約9億6,000万円、1ルピア=約0.0096円)に達する見込み」と述べた(「コンタン」9月27日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

ビジネス短信 574a8235f543f223