中秋節・国慶節の連休期間、観光収入が前年比2.3倍に回復

(中国)

北京発

2023年10月11日

中国政府は10月9日、中秋節と国慶節の連休期間中(9月29日~10月6日)の経済動向について発表した。同期間中、省などの地域をまたいだ人の移動は延べ22億人に達した。

交通運輸部によると、同期間中の旅客輸送人数は延べ4億5,800万人、1日当たりでは延べ5,727万7,000人となり、前年の国慶節連休期間7日間(2022年10月1~7日)の1日当たりの人数対比で57.1%増となった。また、文化観光部によると、中秋節と国慶節の連休期間中の国内旅行者数は延べ8億2,600万人(前年の国慶節連休期間比71.3%増)、観光収入は7,534億元(約15兆680億円、1元=約20円)で、同2.3倍となった。2019年比では国内旅行者数が4.1%増、観光収入が1.5%増だった(2019年10月15日記事参照)。

各地の文化観光庁も、同期間の旅行者数や経済動向を発表している。黒龍江省は同期間の旅行者数が延べ2,039万人で、前年比3.2倍、2019年比15.9%増まで回復し、観光収入は前年比3.9倍の75億元で、2019年対比でも22%増だったと発表した。

江蘇省は同期間中の旅行者数が延べ7,118万人、観光収入が907億元で、それぞれ2019年比25.1%増、25.8%増と発表した。重慶市は同期間中の市内の飲食業売上高が前年比29.2%増、2019年比13.4%増と発表している。他方で、青海省は同期間中の観光収入が24億元で2019年比76.5%、甘粛省は同148億元で2019年比90.3%と発表しており、2019年の水準までには回復しなかった地域もみられる。

国務院弁公庁は9月27日に観光業促進措置として「観光消費の潜在力の解放に向けた質の高い観光開発を促進するための若干の措置」を発表している。同措置では、観光のラインアップを強化する観点から、文化と観光を融合し発展させることを目指し、音楽と観光、公演と観光、展覧会と観光、イベントと観光といった業態の展開に注力するとしている。また、観光による消費需要を喚起することを目的に、観光消費環境の改善や、文化・観光消費の促進活動、景勝地の管理改善、交通サービスの改善などを図るとしている。

(亀山達也)

(中国)

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