大統領選挙、12月に前倒しを決定

エジプトの国家選挙庁（the Egyptian National Election Authority, NEA）は9月25日、大統領選を12月10～12日の3日間で実施すると発表した。立候補の受付期間は10月5～14日としている。決選投票がなければ、12月18日に当選者が発表される予定だ。

大統領選の日程は当初、任期満了が近づく2024年春と目されていた。一方、通貨切り下げが繰り返され、激しいインフレが続くなどして、経済状況悪化に対する社会の不満が増大する前に実施する可能性について、以前からメディアで言及されていた。アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領はこれに先立って9月16日、公務員の最低賃金引き上げを含む8項目の経済対策を発表していた（2023年10月3日記事参照）。

元国防相だったエルシーシ大統領（68歳）は2014年6月に大統領に就任、2018年6月に再選された（2018年6月5日記事参照）。

2019年4月に実施された大統領任期延長を柱とする憲法改正案に関する国民投票では、有効投票約2,600万票の約88％に上る約2,300万票の賛成票で可決され、大統領任期がそれまでの4年から6年に延長された（2019年4月25日記事参照）。

エルシーシ大統領が3選を果たすと、任期は2024年6月から2030年6月までの6年間となる見込み。

ロイター通信は9月25日、エルシーシ氏の3選は確実だろうと報じた。

（西澤成世）