G7記念フォーラム開催、万博をビジネスチャンスに

(日本、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ)

大阪本部海外ビジネス推進課

2023年10月17日

G7貿易大臣会合大阪・堺推進協力協議会は、2025年日本国際博覧会協会、大阪観光局とともに10月4日、大阪市内で同月28~29日に大阪・堺で開催予定のG7貿易大臣会合を記念するフォーラムを開催した。

基調講演では、宮田裕章・大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーが「万博から共創する未来社会」と題して講演した。宮田プロデューサーは、1970年大阪万博で来場者の心に残るレガシーとして「月の石」や「太陽の塔」などの象徴的な展示を振り返り、世界が一丸となって未来社会をかたちづくるきっかけとなる2025年大阪・関西万博の開催意義を強調した。これまでGDPといった経済指標によって示された豊かさから、人類の幸福、すなわち「Well-Being」が注目されるようになり、持続可能性や人権、公平性といった概念の重要性が認識されてきたことに触れた。特にデータが活用されることで、「最大多数の最大幸福」から「最大多様の最大幸福」に実現可能性が高まったとした。この「多様」とはダイバーシティー(多様性)やインクルージョン(包摂性)を意味する。さらに「人々が歯車ではなく、響き合わせながら生きる社会 Human Co-Beingの時代」という理念を示した上で、宮田氏自身がプロデュースするパビリオンの説明を行った。

溝畑宏大阪観光局理事長をはじめ、G7参加国の代表者7人(注)も登壇し、「G7各国からの万博への期待、世界が大阪の企業にもとめるもの」をテーマに、パネルディスカッションが行われた。メラニー・ザクシンガー駐大阪・神戸ドイツ総領事は、ドイツパビリオンの名称は「わ! ドイツ」で、「わ!」は循環や調和、感嘆を意味していることや、万博を契機にドイツパビリオンのメインテーマの循環経済に関連する分野での日本や各国とのビジネス関係を促進したいと考えていることなどを紹介した。各国代表者らは、2020年ドバイ国際博覧会で見られたように、パビリオン内でビジネス関係者用のスペースを設けることや、中小企業に焦点を当てたビジネスプログラム、イノベーション分野での国際パートナーシップ強化、水素やバイオインダストリーといった関西地域の特徴に注目したビジネス交流への期待を述べた。2025年万博を機に日本へのビジネスミッション派遣や関連イベントの増加などが見込まれ、日本とのビジネスチャンス拡大が期待されている。

最後に登壇した博覧会協会の吉村佐知子海外コミュニケーション部長は参加企業に向けて、世界中の人が大阪に集まる万博を機会に、海外ビジネスに踏み出すため今から準備を進めてほしいと呼びかけた。

大阪・関西万博は2025年4月13日から184日間、大阪市内の人工島の夢洲で開催される。

写真 パネルディスカッションの様子(公益社団法人2025年日本国際博覧会協会提供)

パネルディスカッションの様子(公益社団法人2025年日本国際博覧会協会提供)

(注)G7代表として、溝畑宏大阪観光局理事長のほか、サンドリン・ムシェ駐京都フランス総領事、キャロリン・デービットソン駐大阪英国総領事、マルコ・プレンチペ駐大阪イタリア総領事、メラニー・ザクシンガー駐大阪・神戸ドイツ総領事、ミシェル・シーガル在大阪・神戸米国総領事館広報担当領事、デービッド・パデュー在名古屋カナダ領事が登壇。

(山本和美)

(日本、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ)

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