地方首長選で左派が敗北、ボゴタ市長も野党系に

(コロンビア)

ボゴタ発

2023年10月31日

コロンビアで10月29日に地方選挙が行われ、グスタボ・ペトロ大統領の率いる左派連合「パクト・イストリコ」の推薦候補が主要都市で軒並み敗北した。現政権は「変革の政府」を自任し、多くの既存制度について抜本的な改革を目指しているが、これに対する厳しい評価が地方選挙に反映された。

今回の地方選では32県知事、1,102市長のほか、計約2万人の県議会議員、市議会議員、地方行政委員が選出される。中でも主要都市の市長は発言力が強いため、市長選の結果が特に注目されていた。首都ボゴタ市では29日夜、国民登録局の全投票所集計結果が発表され、49.02%を獲得したカルロス・ガラン氏(中道政党のヌエボ・リベラリスモ党)の当選が確定した。事前の世論調査では、左派連合が推薦するグスタボ・ボリバル氏との決選投票に至る可能性もあったが、ガラン氏が得票率4割を突破した一方、ボリバル氏は18.71%で3位となった。

その他の主要都市では、第2の人口を抱えるメデジン市でフェデリコ・グティエレス氏(クレエモス党)が得票率73.36%、カリ市ではアルバロ・エデル氏(レビバモス・カリ党)が40.39%、バランキージャ市ではアレハンドロ・チャール氏(急進変革党)が73.24%をそれぞれ獲得し、当選した。これらを含む主要13都市の全てで左派連合の推薦候補は市長の座を得られなかった。

県知事選を見ると、南西部のナリーニョ県と南部アマソナス県で左派連合の推薦する候補が当選したものの、その他30県は全て同連合の推薦を受けない知事が選出されることとなった。今回当選した首長や議員は2024年1月に就任し、任期は4年間のため、ペトロ大統領の任期が終了する2026年8月まで変更はない。同政権が掲げる和平、地域開発、インフラプロジェクトなど、中央政府と地方政府の協調が求められる政策は多いが、実行面では難航する場面が予想される。

(豊田哲也)

(コロンビア)

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