石油・天然ガスなどの輸入を一時停止、該当品目の輸入事業者は早めの手続きを

(メキシコ)

メキシコ発

2023年10月26日

メキシコ政府は10月23日付官報で、違法燃料市場を取り締まる目的から、石油・天然ガスなどの輸入を一時的に停止する政令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発出し、翌24日に施行した。一時停止の対象とするのは、当該官報の添付資料(Anexo Único)に記載したHSコードに該当する品目。輸入許可を既に持つ企業も、輸入許可を維持してメキシコ国内への輸入を続けるには、エネルギー省への必要情報の提出が必要になる。この一時停止措置は経済省やエネルギー省をはじめとする関係省庁、関係機関が該当品目の非関税規制やトレーサビリティーをコントロールするために必要な法規制やシステムの整備が完了するまで継続する。

政令によると、この措置の目的は次のとおり。

a.人体や環境に差し迫った被害を避けるため

b.燃料を取り扱う施設に隣接した人々の健康と安全を守るため

c.車両や公共交通機関への悪影響を避けるため

当該官報発出の背景には、ガソリンやディーゼルの代替物質、偽造物質、品質を落とす混ぜ物が輸入・販売され、人々の安全や健康を害する行為が広がるとともに、正当なビジネスを行う事業者への損害が発生していることなどがある。

該当品目の輸入を今後行う事業者は、エネルギー省の事前許可に加え、石油・天然ガス担当次官に対して、輸入品目の量と、納入先が生産活動に必要なもので違法性がないことを証明する必要がある。

既に該当品目の輸入許可を持つ事業者も、輸入を続けるには、当該官報の施行日から30営業日以内にエネルギー省石油・天然ガス担当次官に対して、(1)今後も輸入許可に従って輸入業務を続ける意思、(2)輸入量と、納入先が生産活動に必要なもので違法性がないことを表明する必要がある。エネルギー省はこれらの情報を受け取った後、15営業日以内に当該事業者へ返答する義務がある。

(渡邊千尋)

(メキシコ)

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