TSMC、2025年前半にアリゾナ州の半導体工場で生産開始

(米国)

ロサンゼルス発

2023年10月25日

半導体ファウンドリー(受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は10月19日、同社の決算説明会で、2025年前半に米国アリゾナ州の半導体製造工場で生産を開始する予定と説明したことが報道された(「フェニックス・ビジネス・ジャーナル」紙電子版10月19日)。

TSMCは2020年5月、120億ドルを投資してフェニックス市北部に第1工場を建設する計画を発表し(2022年6月28日付地域・分析レポート参照)、2022年12月には第2工場の建設開始を発表しており、この2つの工場向け投資総額は400億ドルとされている(2022年12月8日記事参照)。しかし、2024年の生産開始が見込まれていた第1工場については、労働者の確保や地元労働組合との関係構築などの課題に直面し、生産開始が2025年へ1年延期になると報じられていた。こうした中で、2023年9月にはアリゾナ州のケイティ・ホッブス知事(民主党)が、関係強化などのために台湾を訪問していた(2023年9月19日記事参照)。

同紙によると、TSMCの魏哲家・最高経営責任者(CEO)は2023年第3四半期決算説明会において、「フェニックス北部に建設中の2つの工場について、地元・州・連邦政府から強力な支援を受けており、地元の業界や組合のパートナーと前向きな関係を築き、緊密に協力している」「工場のインフラ、ユーティリティ、設備設置の問題は順調に進展しており、状況は改善しつつある」と述べた。

また、魏氏は「アリゾナ工場の操業に向けて、これまでに1,100人近い現地従業員を雇用した」「操業開始後はアリゾナでも台湾の工場と同レベルの製造、品質、信頼性を提供できると確信している」と述べており、引き続きその動向が注目される。

(堀永卓弘)

(米国)

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