トヨタ、米国のEV用バッテリー工場に80億ドルの追加投資、総投資額は139億ドルに

(米国、日本)

アトランタ発

2023年11月07日

トヨタ自動車は10月31日、米国ノースカロライナ州に建設中の電気自動車(EV)用バッテリー工場に80億ドルを追加投資し、3,000人の従業員を追加雇用する計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。トヨタの同州バッテリー工場への累計投資総額は約139億ドルで、5,000人以上の雇用を創出することとなる。

トヨタ自動車は、ノースカロライナ州のEVバッテリー工場建設を2021年12月に発表していた(2021年12月7日記事参照)。この新たな投資により、バッテリー式EV(BEV)用バッテリーとプラグインハイブリッド車(PHEV)用バッテリーの生産能力を増強する。2022年8月に発表されたBEV用バッテリーライン2本(2022年9月1日記事参照)に加え、8本のBEVおよびPHEVのバッテリー生産ラインが追加され、合計10本の生産ラインとなる。生産は段階的に拡大され、2030年までにすべてのラインの立ち上げを計画しており、最終的には年間30ギガワット時(GWh)以上を生産する予定だ。

ノースカロライナ州のロイ・クーパー知事(民主党)は「トヨタのノースカロライナ州への継続的な投資は、EVのハブとしてのノースカロライナ州のリーダーシップの証左だ。この事業拡大は、経済開発と労働力開発を併せて行うという私のコミットメントに対する確かな証拠であり、われわれはトヨタと、急成長する州のクリーンエネルギー産業のニーズを満たす高度に熟練した労働力を、現在そして将来にわたって確実に提供できる」と述べている。トヨタ・ノースカロライナ社長のショーン・サッグス氏は「この発表は、トヨタの電動化と二酸化炭素削減へのコミットメントを反映したもの。この地域に雇用と将来の経済成長をもたらす」と述べた。

米国南東部は、現代自動車グループや関連サプライヤーのジョージア州への投資を中心に、バッテリーやEV関連の大型投資が相次ぎ注目を集めている(2023年9月27日付地域・分析レポート参照)。トヨタ自動車の追加投資に加え、10月26日には、イプシロン・アドバンスト・マテリアルズがノースカロライナ州で6億ドル以上を投資し、EV用リチウムイオンバッテリーに使用される合成黒鉛の製造施設を建設すると発表しており(2023年11月1日記事参照)、同州をEVとバッテリー製造の主要拠点として台頭しつつある州と位置付ける報道もある(ロイター10月31日)。

(吉田祥子)

(米国、日本)

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