イオンモール、中国事業最大級規模の商業施設を開業

(中国)

武漢発

2023年11月16日

ショッピングモールの開発・運営を手掛けるイオンモール(中国)投資は11月1日、湖北省武漢市に「イオンモール武漢江夏(以下、武漢江夏店)」をグランドオープンした。延床面積28万8,000平方メートルと、中国に22店舗を構える「永旺夢楽城(イオンモール)」で最大級規模の店舗となる。ジェトロは11月10日、今後の湖北省での小売りビジネスの展望などについて、同店舗を運営する永旺夢楽城(湖北)商業管理の酒井俊郎総経理に話を聞いた。

(問)11月にグランドオープンした武漢江夏店の特徴は。

(答)11月にオープンした武漢江夏店は、湖北省武漢市で4店舗目の出店。中国最大の規模と売り上げを誇る旗艦店「イオンモール武漢経開」とほぼ同等の規模感となる。商圏としている「車で20分以内のエリア」には、約39万世帯、143万人が生活しており、武漢江夏店はこれらの方に一日中モールに滞在して楽しんでもらえる工夫を凝らしている。例えば、サバイバル体験、ゴーカート、クライミング体験、VR(仮想現実)体験、映画館、カラオケ、ビリヤードなど、合計約1万2,000平方メートルがエンターテインメント体験エリアとなる。また、フリースペースに多くの休憩スポットを用意し、屋上スペースをアクティビティ空間「夢楽公園」として整備、多目的広場を無償開放するなど、あらゆる層に楽しんでいただけることを目標としている。この取り組みは奏功しており、開業初日(11月1日)は平日にもかかわらず来場者が10万人を超えた。翌日以降も想定を超える来場が続いており、この勢いを維持していきたい。

(問)今後の事業展開は。

(答)永旺夢楽城(湖北)商業管理が管轄する武漢市の4つのモールはいずれも好調を維持。中国中部地域にはまだまだ市場獲得のチャンスがあると考えており、当社としては、2024年に湖南省長沙市に1号店「イオンモール長沙星沙」を開業し、さらに2号店「イオンモール長沙湘江新区」を2025年に竣工(しゅんこう)の予定。長沙市はここ10年間の人口増加が300万人を超えており、市民の消費性向も武漢市より高い。長沙市は中国でも有数の夜間経済「ナイトタイムエコノミー」が盛んな街として知られており、今後も発展が期待できるエリア。開業を目指し、様々な取り組みを進めて行きたい。

 

(問)今後の小売りビジネスの見通しは。

(答)湖北省のモール事業は現在好調を維持しているが、中国全体で消費が引き続き伸び悩んでいる状況であり、油断はできない。高価な宝飾品やアパレルの売れ行きが回復するのは2024年以降と見ている。一方で、軽食や旅行などは好調を取り戻しており、当社においても、魅力ある体験型サービスは好評を博している。ただし、中国ではさらにオンライン市場が拡大していくことが見込まれるので、リアルなショッピング体験の価値をどのように構築していくかが問われている。引き続き、当地の人々の憩いの場として親しまれる、地元にも貢献できる商業施設として成長させていきたい。

写真 開業式典での起動式の様子(ジェトロ撮影)

開業式典での起動式の様子(ジェトロ撮影)

写真 にぎわう店内の様子(イオンモール提供)

にぎわう店内の様子(イオンモール提供)

(佐伯岳彦)

(中国)

ビジネス短信 25d3de4968b09a47