スマートフォン保有率、テレビを上回る

(ペルー)

リマ発

2023年11月14日

ペルー情報通信民間投資監督庁(OSIPTEL)は11月6日、同庁主導で実施する「情報通信サービス国勢調査(ERESTEL)2022年版外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。それによると、2022年のペルーの主力の情報通信機器は、それまでのテレビ〔調査対象世帯数の90.0%(2021年)、90.6%(2022年)〕を抜いて、スマートフォン〔同88.4%(2021年)、91.9%(2022年)〕が首位だった(添付資料図1参照)。その他では、ラジオや音響機器(63.7%)、ノートパソコン類(51.3%)、デスクトップパソコン(42.1%)、タブレット端末(17.7%)、DVD/Blu-ray再生機(14.1%)などが続いており(注1)、特にデスクトップパソコンについては前年比6.1ポイント増の高い伸び率を記録している。特に新型コロナウイルスのパンデミック前の2019年との比較では、スマートフォン(78.0%から91.9%)と、ノートパソコン(31.4%から51.3%)の保有率が格段に伸びており、2020年の新型コロナ感染拡大に伴うロックダウンやその後のリモートワークの影響が垣間見られる。

年齢に関係なく、農村部と低所得層で高い伸び率

地域別では、2022年の首都リマのスマートフォン世帯保有率が前年比2.1ポイント増の96.7%(人口比では83.3%)、その他の都市部が2.4ポイント増の93.3%(人口比74.0%)、農村部が9.1ポイント増の79.4%(人口比54.6%)と、農村部が最も高い伸び率を記録している。社会階層別(注2)では、DE層が前年比3.4ポイント増の65.4%と最も高い伸び率を記録した。C層は2.2ポイント増の82.4%、AB層は0.2ポイント増の90.8%となっている(添付資料図2参照)。

年代別では「36歳~45歳」が前年比5.1ポイント増の86.6%、「46歳~50歳」が5.0ポイント増の81.6%といずれも高い成長率となった(添付資料図3参照)。男女別では、男性が3.5ポイント増の75.8%、女性が2.8ポイント増の71.8%となった(添付資料図4参照)。

(注1)OPSITELによると、ラジオ・音響機器、ノートパソコン、デスクトップパソコン、タブレット端末、DVD/Blu-ray再生機については、多くの家庭が保有の有無に関する回答を拒んでおり、実際の数字は上回る可能性がある。

(注2)ペルーの経済力別社会階層は収入または支出が多い順にA~Eに分類されることが多い。大まかに富裕層(A層B層)、中間層(C層)、貧困層(D層、E層)に分類され、基準となる収入または支出額は官民で異なっており、OSIPTELがどちらを採用しているかは明示されていない。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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