ジェトロ、米ロサンゼルス最大級の日本食イベント「Japanese Food EXPO in LA 2023」開催

(米国、日本)

ロサンゼルス発

2023年11月09日

ジェトロと米国カリフォルニア州のNPO日本食文化振興協会(JFCA)は1028日、同州ロサンゼルスのユニバーサルシティーで、日本食イベント「Japanese Food EXPO in LA 2023」を開催した。

16回目を迎える同イベントには、在米日系食品商社やメーカー、日本政府観光局(JNTO)などの政府機関、日本各地の観光輸出振興機関・誘致機関など計50社・団体が出展した(注1)。各ブースでは日本酒・焼酎、米・米加工品、麺類、ユズ加工品、調味料などのバラエティー豊かな日本食品の展示や観光資源のプロモーションなどが行われた。

会場内には、SNSを活用して日本酒ファンをつなげるコミュニティー「#SupportSAKE」のローンチ記念ブースも設置され、訪れた人々がさまざまな銘柄の日本酒を試飲して交流を行った。メインステージでは、パックライスを用いておにぎりを作るワークショップ「おにぎりアクション」が開催され、米国人の家族連れなど約100人が参加した。

写真左 「#SupportSAKE」のローンチ記念ブース、写真右 ワークショップ「おにぎりアクション」 (ともにジェトロ撮影)

(左)「#SupportSAKE」のローンチ記念ブース、(右)ワークショップ「おにぎりアクション」(ともにジェトロ撮影)

ジェトロは今回のイベントを共催するとともに、東京電力福島第1原子力発電所のALPS処理水の海洋放出を受けた一部の国・地域による輸入規制強化を踏まえ、日本産水産物の緊急支援事業として、日本産水産物のプロモーションブース(注2)を設置した。同ブースではホタテやウニなどの試食を提供したほか、メインステージでは愛媛・宇和島の「サバキ女子」によるマグロの解体ショーを実施した。

写真左 日本産ホタテのプロモーション、写真右 マグロの解体ショー(ともにジェトロ撮影)

(左)日本産ホタテのプロモーション、(右)マグロの解体ショー(ともにジェトロ撮影)

このイベントは業界関係者向けの部と一般消費者向けの部に分けて実施し、イベント全体では業界関係者725人を含む計2,315人が来場した。食品バイヤーからは、「米国に流通していない新しい商材が多く出品されていた。サンプル品を持ち帰り、社内で取り扱いを検討したい」「中南米ではこれほど多くの日本の事業者と商品が集まる場は見られないため、大変効率よく活動できる。特に冷凍冷蔵の商品サンプルを入手するのは容易でなく、大変よい機会となった」といった声が聞かれた(注3)。一般消費者からは、「日本の水産物はおいしいと認識していたが、期待を上回るおいしさだった」「いつも食べている魚と比べてとても新鮮でジューシーだった。また、ホタテには甘味がたっぷりあり、またすぐに食べたい」といった日本産水産物を高く評価する声が聞かれた。

カリフォルニア州は、日本食レストラン約5,000店(全米計の約22%に相当)、日本食スーパー40店(同28%に相当)を有する米国最大の日本食市場だ。西海岸の食トレンドが5年後に内陸部に波及すると言われていることから、業界関係者からの関心も高い。

次回は2024年10月に同じくユニバーサルシティーで開催予定。

(注1)ジェトロとJFCAは10月20~22日にも、米国ニューヨーク市ブルックリン地区で「Japanese Food Expo in NY 2023」を開催した(主催:JFCA、後援:ジェトロ、2023年10月30日記事参照)。

(注2)日本産水産物プロモーションブースは翌日に同会場で開催された「Sushi and Sake Festival」〔主催:米国日系レストラン協会(JRA)、ジェトロ・ロサンゼルス事務所〕にも設置。

(注3)ジェトロは同イベントと、ロサンゼルスで開催された日本食サンプルショールーム常設展に、メキシコのバイヤーを誘致して商談を行った(2023年11月7日記事参照)。

(和波拓郎)

(米国、日本)

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