新しいビザ発給システムの試験運転開始

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2023年11月01日

南アフリカ共和国内務省(DHA)は10月11日、「信頼される雇用主制度〔The Trusted Employer Scheme(TES)〕」の試験的導入に関する官報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。13日にはDHA主催の説明会をオンラインで開催し、TESに関心のある企業は11月20日までに申請書を提出するよう呼びかけた。

この制度は、外資投資誘致の観点から、技能のある外国人労働者(会社の幹部、技術者、投資家など)に対して、ビザ手続きの事務負担を軽減するためのものだ。申請後、DHAや貿易産業競争省(DTIC)などで構成する委員会で審査するが、次の5つの項目に準じて、100点満点中80点を取得する必要がある。また、複数の支店がある大企業は各支店が申請するのではなく、混乱をさけるためにも親会社が申請するよう推奨している。

TESの申請に係る書類はDHAのウェブサイトワードファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)から入手が可能だ。南アでは2022年、ビザの発給が一時停止、遅延する問題が発生し、多くの外資系企業の南ア赴任予定駐在員にビザが出ない状況が続いた。また、複数回のICT(企業内派遣)ビザ(注2)の申請が難しくなっているという状況もあり、進出日系企業はTESに関心を寄せていた。しかし、今回の条件に当てはまる日系企業は少ないと考えられ、どの程度の外資企業が審査に通るのか不透明だ。

(注1)南アフリカ投資会議は毎年1回開催されており、各社が予定している投資を発表する場となっている(2023年4月28日記事参照)。

(注2)日本人駐在員が一般的に取得しているビザの種類。

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国)

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