10月のインフレ率は4.6%に低下、エネルギーや食品の価格低下などが影響

(英国)

ロンドン発

2023年11月16日

英国国家統計局(ONS)の11月15日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、10月単月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比4.6%と前月の6.7%から低下した。これにより、リシ・スナク首相が2023年1月に述べた「2023年末までにインフレ率を(1月当時発表されていた最新のCPI上昇率10.7%から)半減させる」との公約を達成したことになる(2023年1月6日記事参照)。

今回の低下の要因として、主にガス、電気、食料品・非アルコール飲料、レストラン・ホテルの価格などが挙げられた。なお、エネルギー・食品・アルコール類・たばこの価格を除いたコア指数においても前年同月比5.7%と、9月の6.1%から低下している。

ガス代については前年同月比31.0%減、電気代は15.6%減となった。ただし、これらエネルギー価格は依然として2021年の水準を上回っているとしている。

食料品・非アルコール飲料においても、10月のインフレ率は前年同月比10.1%と、9月の12.2%から低下し、2022年6月以来約1年半ぶりの低水準となった。下げ幅が大きかったのは牛乳、チーズ、卵類と野菜類。ただし、食料品のインフレ率に関しても、2023年3月にピークを迎えて以降、低下傾向にあるものの、2021年10月との比較では約30%高い。ONSが実施している成人に対する意識調査では、過去2週間に食品の購入量が減少したと回答した割合は2021年10月20~31日が7%、2022年10月26日~11月6日が54%となっているのに対し、2023年10月18~29日の調査では44%となっている。

他の主要国との比較では、英国のインフレ率は依然として高い水準にある。米国の2023年10月のインフレ率は3.2%、フランスは4.0%、ドイツでは3.8%に低下した。

(松丸晴香)

(英国)

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