米コワーキングスペース大手ウィーワーク、米連邦破産法第11章の適用を申請、カナダでも破産申請予定

(米国、カナダ)

ニューヨーク発

2023年11月13日

米国コワーキングスペース大手のウィーワーク(本社:ニューヨーク州ニューヨーク市)は11月6日、米国連邦破産法第11章(Chapter 11、日本の民事再生法に相当)の適用を申請したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。併せて、カナダでも企業債権者調整法(CCAA、日本の民事再生法に相当)第4部に基づく承認手続きを申請する予定とも発表した。同社は、既に有担保社債の約92%を保有する債権者との間で債務削減に向けた再建支援契約を締結しており、今後は商業オフィス賃貸ポートフォリオの合理化を進めながら、事業を継続していく方針だ。なお、発表によると、日本を含めた米国・カナダ以外の拠点はこれらの手続きによる影響を受けない。

2010年に創業したウィーワークは、「オフィスワークの未来に革命を起こす」ことを掲げ、起業家や企業を対象に、入居者同士の交流を促すコミュニティ型のオフィススペース(コワーキングスペース)を提供してきた。ピーク時の2019年には企業価値約470億ドルという高い評価額で新規株式公開(IPO)を目指したが、想定を上回る損失や共同創業者で当時の最高経営責任者(CEO)だったアダム・ニューマン氏との潜在的な利益相反などが明らかになったことで頓挫した。その後、2021年に株式上場を果たしたが、評価額は約90億ドルにまで下落した(CNNビジネス11月7日)。

同社の事業の急拡大と失速の要因について、ミシガン大学の経営学教授のエリック・ゴードン氏は、2000~2010年代の低金利が、高いリターンをもたらすスタートアップへの投資の殺到を引き起こしたと指摘し、「ゼロに近い金利が、資本を配分する市場メカニズムにどれだけダメージを与えるかを物語っている」と述べた(ABCニュース11月7日)。

さらに、同社に追い打ちをかけたのが、新型コロナ禍でのハイブリッドや在宅勤務の普及だ。これにより、コワーキングスペースを含む商業用不動産セクターの需要が大きく減退した。また、コワーキングスペースにおける競争の激化、金利の上昇、マクロ経済の不確実性なども業績悪化に寄与したようだ(CNNビジネス11月7日)。

米国の破産申請データを提供するエピック・バンクラプシーによると、2023年10月の米国連邦破産法第11章の適用申請件数は前年同月比2.1倍の631件となった。調査会社AACERのトッド・マドセン副社長は「10月は15カ月連続で、総破産、個人破産、商業破産の申請件数がいずれも前年同月比で増加した」と述べ、政府による緊急資金援助の終了、金利の上昇、インフレの進行、融資基準の厳格化などが破産件数の増加につながっていると指摘した。経営破綻に陥る企業は今後も増加する可能性がある。

(樫葉さくら)

(米国、カナダ)

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