ジェトロ、SF市内で日本の水産物のPRイベント実施、岸田首相が来場

(米国、日本)

サンフランシスコ発

2023年11月24日

ジェトロは11月15~16日、米国サンフランシスコ(SF)市内で、農林水産省や日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)などと日本の水産物をPRするイベントを実施した。16日には岸田文雄首相が来場し、日本の水産物をPRするスピーチを行った。

イベントは日本の水産物の輸出拡大に向けたもので、「Discover Sustainably Sourced Japanese Seafood」と題し、海洋管理協議会(MSC)による認証を取得した北海道産のホタテなど、資源や環境に配慮した取り組みのもとで生産されている水産物を提供した。メニューは、カリフォルニア州ソノマ郡でミシュラン三つ星店「シングルスレッド」を経営するシェフのカイル・コノートン氏が監修した。カリフォルニア州出身のカイル氏は料理界のアカデミー賞といわれるジェームズ・ビアード賞(注)の受賞歴のあるシェフ。2006年から約3年、北海道・洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺での勤務経験があることから北海道産の水産物にも造詣が深く、自身の店でも日本各地の食材を使用した料理を提供している。

写真 (左)カイル氏、(右)同氏監修の北海道産ホタテと柿のチリソース(ジェトロ撮影)

(左)カイル氏、(右)同氏監修の北海道産ホタテと柿のチリソース(ジェトロ撮影)

イベントには、サンフランシスコ・ベイエリアで活躍するジェームズ・ビアード賞受賞シェフやインフルエンサー、フードライターなど52人が来場した。また、岸田首相や村井英樹内閣官房副長官のほか、カリフォルニア州副知事のエレニ・クナラカス氏やサンフランシスコ・ジャイアンツの最高経営責任者(CEO)のラリー・ベアー氏など、地元の政財界人を中心に110人が来場し、日本の水産物を味わった。岸田首相はイベント中のスピーチで、「わが国のホタテについては、産地の北海道において、生育する海の環境を守るために、水源となる森で植樹活動が行われるなど、持続可能な利用の実現に取り組んでいる」と述べ、持続可能性に向けた取り組みを強調した。また、カイル氏らシェフとの懇談では「日本の水産物をもっと広めてほしい」と自らプロモーションを行った。会場では、鈴木直道北海道知事からのホタテの消費拡大に向けたビデオメッセージに加え、文化庁の酒造り動画や日本政府観光局(JNTO)の観光プロモーション動画が放映された。また、JNTOは観光PRブースも設置するなど、オールジャパンでの取り組みとなった。

イベントでは販路拡大に向けた取り組みとして、来場したシェフなどがイベントのメニューで使用された水産物をサンプル注文できるサービスを提供した。インド料理店を経営するシェフからは「今回のイベントにより日本の水産物のクオリティの高さをあらためて認識した。さっそくサンプルで注文した」という声があった。また、日本産の水産物を購入可能なEC(電子商取引)サイトや、それらを取り扱うSF市内のレストランを示した地図などへのリンクをQRコードで提示し、ベイエリア内での消費拡大も図った。

写真 岸田首相のスピーチ(写真左)、岸田首相と懇談するシェフ(写真右)(いずれも官邸広報室提供)

岸田首相のスピーチ(写真左)、岸田首相と懇談するシェフ(写真右)(いずれも官邸広報室提供)

(注)ジェームズ・ビアード賞:米国における料理界の発展・継承を目的とした非営利団体のジェームズ・ビアード財団が、功績のあったシェフに授与する賞。料理界のアカデミー賞ともいわれている。

(芦崎暢)

(米国、日本)

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