ジャカルタ特別州の最低賃金、2024年は3.4%増

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年12月01日

インドネシアの2024年の州別最低賃金(UMP)が11月21日に発表された。首都ジャカルタ特別州の最低賃金は月額506万7,381ルピア(約4万5,606円、1ルピア=約0.009円。2023年比3.4%増)とされた。

2024年の最低賃金の算出は、賃金に関する政令(2021年第36号)の改正令(2023年第51号)に基づき、「インフレ率+(経済成長率+特定の係数)」で算出される。特定の係数に当たるアルファは、0.10~0.30の間で地方の賃金委員会が定めることとされていた。

ジャカルタ特別州のヘル・ブディ知事代行は、同州において経営者側はアルファを0.20、労働者側は上記計算式を使わず、前年比15%増となることを要求していたところ、州政府としては計算式に準拠し、アルファの最大値である0.30を使用する案を適用したと述べた(「テンポ」2023年11月21日)。

インドネシアの最低賃金は、(1)州別最低賃金(UMP)と(2)県・市別最低賃金(UMK)の2つが定められており、最低賃金の適用においては最小行政単位のものが優先される。例えば、西ジャワ州ブカシ市ではブカシ「市」のUMKが適用されるが、ジャカルタ特別州は「県・市」の単位で設定がないため、UMPを適用する。また、最低賃金の決定に当たっては各地域の州知事がまずUMPを決定、次にUMKを決定するとされており、政令2023年51号によりUMPの決定は2023年11月21日まで、UMKの決定は11月30日までとされている。

なお、金属労連(FSPMI)を中核とするインドネシア労働組合連合(KSPI)は、首都特別ジャカルタ特別州での最低賃金発表後も、かねて主張していた最低賃金15%増の要求を続けており、11月30日には西ジャワ州ブカシなどでストライキを実施した(「CNBCインドネシア」2023年11月30日)。

(八木沼洋文)

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