第3四半期の実質GDP、前年同期比5.9%の成長

(トルコ)

イスタンブール発

2023年12月05日

トルコ統計機構(TUIK)の発表(11月30日外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、2023年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率は、市場予測を上回る前年同期比5.9%だった。ただし、季節・日数調整後の成長率(前期比、年率換算)では0.3%と、前期(3.3%)よりは鈍化している。

第3四半期の成長率を支出項目別にみると、GDPの最大項目の家計最終消費支出は前年同期比11.2%増と成長を牽引したが、過去2年間では最低の伸びにとどまり、季節・日数調整後の前期比では、第2四半期(4~6月)の4.7%増から1.7%減へとマイナス成長に転じた。同項目がGDPに占める構成比も、第2四半期の61.5%から57.2%に低下した。他方、民間投資を含む総固定資本形成は、前年同期比14.7%増と大きく伸びた。

輸出は前年同期比1.1%増にとどまった。一方で、輸入は通貨リラ安などを要因に14.5%増と伸ばしたことから、純輸出のマイナス寄与は続いている。

生産部門別にみると、サービスが前年同期比4.3%増のプラス成長と好調だった。また、工業は5.7%増と前期のマイナスから回復し、製造業も6.2%増と好調だった。建設も8.1%増で、2022年第4四半期(10~12月)から回復傾向が続いている。

メフメット・シムシェキ国庫・財務相は、個人消費が前期に比べて縮小した一方、投資と輸出が増加したとし、「政府の経済プログラムの予測どおり、よりバランスのとれた成長に向かっている」と述べた(2023年12月1日付「ヒュッリイェト」)。

なお、経済協力開発機構(OECD)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは11月に発表した経済見通しにおいて、2023年のトルコの経済成長率を4.5%、2024年は2.9%、2025年は3.2%と予測している。

(中島敏博)

(トルコ)

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