2024年1月からVATが引き上げ、標準税率は8.1%に

(スイス)

ジュネーブ発

2023年12月14日

スイスでは、付加価値税(VAT)が2024年1月1日から引き上げられる。標準税率8.1%、軽減税率(注1)2.6%、特別税率(宿泊サービス)3.8%が適用され、それぞれ、0.4、0.1、0.1ポイントの引き上げとなる(連邦税務局のウェブページ参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。1995年1月にスイスでVATが導入されて以降、最高水準の税率となる(注2)。

今回の引き上げは、2022年9月の国民投票で「VATの引き上げによる年金財源補填(ほてん)」が可決され、老齢・遺族年金保険(フランス語:AVS、ドイツ語:AHV、英語:OASI)の改革が行われることになったためだ(2022年10月4日記事参照)。ベビーブーム世代の退職と平均寿命の延びによって年金制度の財源確保が急務となる中、今後10年間の年金財源確保を目的にVATの引き上げが提案された。

(注1)食料品および飲料(アルコール飲料を除く)、医薬品、書籍、新聞など。

(注2)2017年末まで時限的に適用されていたVATの追加徴収措置が終了したことを受け、2018年~2023年は2011~2017年と比較して低い税率となっていた。

(深谷薫)

(スイス)

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