議会、2024年国家予算とソブリンファンド設立法案を承認

(モザンビーク)

マプト発

2023年12月22日

モザンビーク議会は12月13日、2024年の経済・社会開発と国家予算(PESOE)を賛成174、反対50で承認した。PESOEは対象年の経済・社会目標と予測、財政政策を規定したもので、議会承認を経て公布される。

今回は2024年のマクロ経済について、GDP成長率5.5%、名目GDP1兆5,365億3,200万メティカル(約242億9,300万ドル、1ドル=約63.25メティカル)、年間平均インフレ率7%前後、財輸出額97億300万ドル、外貨準備高(ネット)22億3,500万ドルと予測している。これらの予測値を前提とし、2024年の目標値として、歳入約3,835億メティカル(GDPの25%相当)、歳出約5,678億メティカル(GDPの37%、注1)、財政赤字約1,595億メティカル(GDPの10%)、基礎的財政収支(プライマリーバランス)約393億メティカル(GDPの3%)を設定した。なお、2023年のGDP成長率は、天然ガスの輸出増加と新型コロナウイルスショックからの堅調な経済回復を背景に、2022年12月の目標値5%(2023年1月11日記事参照)を上回る7%に達する可能性があるとした。

また、議会は12日、モザンビークソブリンファンド(FSM)設立法案を承認した。FSMの創設は、2022年8月に政府が発表した経済改革指針「経済加速パッケージ(PAE)」(2022年8月19日記事参照)の施策の1つとなっている。政府によると、FSMは資源採掘から得られる政府収入を貯蓄し、富の分配を長期的かつ有効に実施するものとしている。同法案はFSMの財源について、エリア1(注2)とエリア4の天然ガス田から得られる税収や分配収益がベースになるとしている。政府は天然ガスの生産期間中(2047年まで)、年平均7億4,000万ドルの国庫収入を見込んでいる。

(注1)2023年10月に起草されたPESOE2024では、歳出目標額が5,427億メティカルとしていたが、報道によると、国会審議中に公共支出が増額された(12月8日付「モザンビーク情報エージェンシー」)。

(注2)現在は操業停止中(2021年4月30日記事参照)だが、2028年の生産開始を見込む(2023年12月5日記事参照)。

(松永篤)

(モザンビーク)

ビジネス短信 5af1f188f13c5703