チャイナ・ハイテクフェア開催、過去最大規模

(中国)

広州発

2023年12月01日

テクノロジー分野の総合展示会「中国国際ハイテク成果交易会(チャイナ・ハイテクフェア)」が11月15~19日、深セン市で開催された。商務部、科学技術部、工業情報化部、国家発展改革委員会、農業農村部、知的財産局、中国科学院、深セン市政府が共催し、25回目となる今回は、深セン市内の福田区と宝安区の2会場に過去最大規模となる50万平方メートルの展示エリアが設けられた。同展示会の公式SNSアカウントによると、105の国・地区から4,000以上の出展者が集まり、会期を通じての入場者数は延べ24万8,000人に上った。

写真 来場客でにぎわう会場(ジェトロ撮影)

来場客でにぎわう会場(ジェトロ撮影)

会場内には、「次世代情報技術」「ハイエンド製造」「環境保護」「スマートシティ」「新型ディスプレイ」「デジタルヘルスケア」などの分野別展示エリアが設けられた。中でも、開催地深セン市が強みとするロボットやドローンなどの自動化領域では、ビジョンナビやプードゥ・ロボティクスなど多くの関連企業が出展した。中国企業の参入が相次いでいる生成AI(人工知能)関連の製品・ソリューションや、半導体分野で国産技術をアピールするものなど、近年の技術トレンドやビジネス環境変化を反映した展示も見られた。

写真 中国AI大手インテリフュージョンは自社開発のAIチップを展示し技術力をアピール(ジェトロ撮影)

中国AI大手インテリフュージョンは自社開発のAIチップを展示し技術力をアピール(ジェトロ撮影)

日本企業のブースも好評

日本からはセイコーエプソンやキーエンス、愛知県、茨城県つくば市が出展した。同市のブースには、微小な液滴を吐出できる「スーパーインクジェット」技術を開発・販売するエスアイジェイテクノロジ(SIJテクノロジ)と、断熱性能を幅広い温度領域で発揮できる超断熱素材「TIISA®」を開発・販売するサーマリティカ(Thermalytica)のスタートアップ2社が出展した。

写真 つくば市のブース。会期を通じ客足が絶えなかった(ジェトロ撮影)

つくば市のブース。会期を通じ客足が絶えなかった(ジェトロ撮影)

出展者からは「ブース来訪者が非常に多く、研究機関や大学関係者、メーカー、投資家など、さまざまなジャンルの方と出会うことができた。良い商談が生まれることを期待している」「複数回来訪した方や自社製品を持参して活用の可能性を熱心に議論する方も見られるなど、強い関心を感じた」などの声が聞かれた。ブース来訪者からは「断熱性能をはじめとした機能性が高く、用途も広いので代理店になりたい」など、日本企業に対する関心の高さがうかがえた。

ジェトロでは、つくば市ブースに出展したスタートアップ2社に対して、出展前から情報提供やマッチングなどのサポートを実施しており、展示会後も商談成約に向けてフォローを実施する予定だ。

(小野好樹、小倉貴志)

(中国)

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