投資誘致100兆ウォンを目指す「経済自由区域基本計画」を発表

(韓国)

ソウル発

2023年12月25日

韓国政府は12月21日、「第3次経済自由区域基本計画」を審議・議決した。「経済自由区域基本計画」は、今後10年間の経済自由区域(注1)政策の基本方向を提示するもので、5年ごとに策定することが定められている。今回発表された計画では、2023年から2032年にかけて、国内外から100兆ウォン(約11兆円、1ウォン=約0.11円)の投資を誘致し、45万人の雇用を創出することを目標としている。

同計画の主な内容は次のとおり。

  1. 経済自由区域の無秩序な指定の拡大を防ぎ、民間の投資需要に柔軟に対応できるように「需要基盤総量管理制(注2)」を運営する。経済自由区域への応募方式は、現状の5~6年ごとの一括公募方式から、随時応募を受け付けて指定する方式に転換する。開発計画変更に関する地方自治体の権限を拡大するなど、中央政府の権限の地方自治体への移譲を進める。
  2. 先端・核心戦略産業の誘致拡大のため、各経済自由区域がおのおの差別化した戦略を策定できるように支援していく。外国人材のビザ制度の改善など、インセンティブの強化を推進する。
  3. コアとなる強みをさらに強化するために、産学研の協業や先端・核心戦略産業の研究開発(R&D)支援などを進める。
  4. 経済自由区域庁の役割拡大や、中央政府・地方自治体間の協力体制を強化する。

(注1)経済自由区域は、外資企業などの経営環境や生活環境を改善し、各種の規制緩和による企業の経済活動や投資誘因を最大限保障することを目的として作られたもので、関税や取得税・財産税の減免、土地の賃借料の減免などの投資インセンティブの付与が可能となっている。現在、仁川、釜山・鎮海、光陽湾圏など9地区が指定されている。

(注2)経済自由区域は、柔軟な指定・解除により総面積360平方キロ以内で管理(現在は271.4平方キロ)することを原則としている。ただし、国家として必要と考えられる大規模投資が行われる場合には、経済自由区域委員会の審議を得て総量の例外を認める。

(李海昌)

(韓国)

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