輸入ライセンス制度とSIRAを廃止、政府による輸入管理を排除へ

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2023年12月27日

アルゼンチン政府は12月26日、経済省商業庁決議1/2023号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます公共歳入連邦管理庁(AFIP)・商業庁共同一般決議5466/2023号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、輸入ライセンス制度を廃止するとともに、アルゼンチン共和国輸入システム(SIRA)も廃止し、輸入統計システム(SEDI)に置き換えた。商業庁は、輸入手続きにおける政府の裁量を取り除くことで貿易障壁と腐敗の原因を排除し、貿易管理に関するWTOの国際基準を満たしたとしている。

これまで、輸入に際して、原材料などは自動輸入ライセンス、ほとんどの完成品は非自動輸入ライセンスの取得が必要だったが、政府は輸入ライセンス制度を廃止した。2022年10月のSIRA導入前までは、自動輸入ライセンス対象品目は輸入しやすく、非自動輸入ライセンス対象品目は輸入が困難という線引きがなされていたが、2022年10月以降は全面的に輸入が難しくなっていた。しかし今回、輸入ライセンス制度そのものが廃止された。

SIRAは財の輸入とその輸入代金の支払い時期を政府が管理する仕組みで、申請から輸入許可まで最長60暦日の猶予が政府に与えられていたが、許可が下りにくいことに加えて期限内に政府が判断せず、繰り返し再申請を強いられるという問題があった。また、SIRAの許可と同時に輸入代金の支払い可能日がシステム上に表示される仕組みだったが、その日付は許可が出るまでわからず、日付が輸入通関から180暦日後や365暦日後になるなど、輸出者と輸入者の契約内容が考慮されないことも問題だった。

今回導入されたSEDIは、税関が輸入情報の事前把握をすることを目的としているが、貨物を通関するにはSEDIによる申告が「完了(Salida)」の状態になっている必要がある。他法令の審査はSEDIの申請から30暦日以内に完了することになっており、30暦日を超えても結果が出ない場合は自動的に「完了(Salida)」となる。「完了(Salida)」の状態となったSEDIの有効期間は360暦日となっている。SEDIの申請が不要な輸入取引として、見本、寄付品、外交官用貨物の輸入、クーリエ、郵便制度による輸入、法律25613号が規定する科学技術研究用途の資機材の輸入、アルゼンチン南部の自由貿易地域であるフエゴ島と本土を行き来する貨物などが定められている。

旧SIRAでの申告済みのものは、「許可(Salida)」と「許可・通関済み(Cancelado)」以外のステータスのものは全て無効となり、SEDIで申請し直す必要がある。

なおAFIPが、法人や個人を含む納税者の外国貿易を含む特定の経済行為を遂行する能力を月単位で評価する「経済・財務能力制度(CEF)」と呼ばれる仕組みは継続される。SEDI申請時にCEFが参照され、問題なければSEDIは「受理(Oficializada)」されることから、政府が全く介在しないわけではない。なお、サービス輸入のためのアルゼンチン共和国輸入システム(SIRASE)も同様に廃止された。新たな仕組みには不明な点も多いが、輸入制限を排除しようという新政府の試みが徐々に具体化している。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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