パナマ運河の通航予約枠、2024年1月16日から1日当たり24枠に拡大

(パナマ)

メキシコ発

2023年12月25日

パナマ運河庁(ACP)は12月15日、パナマ運河の1日当たりの通航予約枠を現状の22枠から2024年1月16日以降は24枠に拡大すると発表した(ACP海運事業者向け通知A-54-2023PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

ACPは雨期の到来が例年よりも遅れたことに伴い、2023年8月以降の1日当たりの通航予約枠を通常の36枠から32枠に縮小した。さらに、エルニーニョ現象に伴う降雨不足により、閘門(こうもん、注1)を動かすためのガトゥン湖の水位低下が深刻化したことを受け、11月以降も通航予約枠を削減する措置を導入し、11月上旬は25枠、11月中旬~下旬は24枠、12月には22枠まで削減していた。2024年1月には20枠、2月には18枠まで削減される予定だった(10月30日付海運事業者向け通知A-48-2023PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)参照)。

しかし、11月の降雨量が結果的には予想よりも多く、それまでの節水対策も奏功してガトゥン湖の水位が12月に81フィート(約24.7メートル、注2)まで回復したため、2024年1月16日以降の通航予約枠を24枠に拡大することを決定した。船の大きさや予約実施期間によって異なる具体的な通航予約枠は、添付資料表を参照。

1船社当たり予約枠を1日1枠に制限

今回、通航予約枠の拡大に加え、多くの船会社に公平に予約枠を付与するため、1船社当たりの予約枠を2024年1月16日以降は、あらかじめ定めた例外に相当する場合を除き、ネオパナマックス(注3)向け閘門とパナマックス(注4)向け閘門で、それぞれ1日1枠に限定した。予約枠に関する詳細なルールは12月15日付通知A-54-2023PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。また、2024年1月16日以降のネオパナマックス閘門の通航予約(予約期間1.Aと2)の優先条件についても発表されている。詳細は同通知を参照。

(注1)水位の異なる水面をもつ河川や運河、水路に設けられる船を通航させるための施設。

(注2)ACPによると、運河を通航するために望ましい水位は87フィート(約26.5メートル)、最高水位は88フィート(26.8メートル)。

(注3)2016年の拡張後の閘門を通過できる最大船型で、日本船主協会によると、船幅は49メートル、12万載貨重量トン数(D/W)、コンテナ船の場合は1万3,000TEU(1TEU=20フィート換算)程度。

(注4)2016年拡張以前の旧パナマ運河を満載状態で通航し得る最大船型で、日本船主協会によると、船幅は32.31メートル。一般的には6万~8万載貨重量トン数(D/W)程度。

(中畑貴雄)

(パナマ)

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