横浜で留学生と市内企業との交流会、ジェトロと大学が開催

(横浜)

横浜発

2023年12月11日

ジェトロは121日、横浜市立大学および横浜国立大学とともに、高度外国人材の日本での活躍推進を目的に、留学生と横浜市内企業の交流会を開催した。両大学が主催する、留学生の日本国内での就職率引き上げを目指す「かながわ留学生就職促進プログラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の一環として実施され、両大学在籍者を中心とした約20人の留学生と横浜市内のスタートアップ3社、中小企業2社が参加した。

写真 交流会の様子(ジェトロ撮影)

交流会の様子(ジェトロ撮影)

日本学生支援機構の2021年度調査によると、日本で就職を希望する外国人留学生は全体の約66%を占めるのに対し、同年度に国内の大学・大学院などを卒業・修了した外国人留学生のうち、国内で就職した者は約38%にとどまっている(注)。本イベントは、日本での就職を希望する外国人留学生の中でも、英語による授業のみを履修して卒業できるイングリッシュ・トラックの学生を主な対象としている。外国人留学生の日本での就労に際し、日本語能力がハードルの1つといわれる中で、留学生と企業が英語で交流できる機会となった。参加した留学生からは、求人の有無やテレワークの可否など、日本での就労を想定した具体的な質問が相次いだ。

参加企業の1社で、顧客データ基盤を開発するITスタートアップのコエル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、日本とベトナムに拠点をもち、さまざまな国籍のスタッフを採用している。同イベントに参加した長野草児最高経営責任者(CEO)は「コエルの事業のキーワードは『越境』。特定の仕事に集中するだけではなく、新しい業務にも果敢に挑戦するマインドを持つ『越境人材』を必要としている。越境人材は留学生に多く、本イベントでの出会いが今後につながれば幸い」と述べた。

交流会を企画した横浜市立大学キャリアセンターの河瀬恵子キャリア支援コーディネーターは、外国人留学生が抱える課題として「特に新型コロナ禍を経て孤立が深まり、日本での就職を希望しても就職活動に関する情報が届きにくい現状がある」と指摘。「留学生は、多様な価値観とバックグラウンドを強みに、日本社会と企業の変革を後押しする存在になれる。企業と留学生との接点を作り、その魅力を届けたい」と語った。

(注)独立行政法人日本学生支援機構「2021年(令和3)年度外国人留学生進路状況調査結果」および同「令和3年度 私費外国人留学生生活実態調査」に基づく。なお、日本語教育機関の留学生は除く。

(芥川晴香)

(横浜)

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