バイデン大統領との直接対決でヘイリー氏が好結果に、2024年米大統領選の世論調査

(米国)

調査部米州課

2023年12月11日

米国の2024年大統領選挙でジョー・バイデン大統領との直接対決を想定した場合、共和党候補者の中では、ニッキー・ヘイリー元国連大使がドナルド・トランプ前大統領より好結果だったことが「ウォールストリート・ジャーナル」紙の世論調査からわかった。

同紙は12月9日、2024年大統領選挙などに関する世論調査結果を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(注1)。それによると、「もしきょう大統領選挙が行われた場合、誰に投票するか」という問いに、バイデン氏とヘイリー氏の直接対決を想定した場合では、「必ずヘイリー氏に投票する」(36%)、「おそらくヘイリー氏に投票する」(15%)で、ヘイリー氏を選ぶ割合が合計51%と、バイデン氏(34%:「必ず」24%、「おそらく」10%)を17ポイント上回った(「決めていない」は15%)。一方で、バイデン氏とトランプ氏の直接対決を想定した場合では、トランプ氏(47%:「必ず」40%、「おそらく」7%)がバイデン氏(43%:「必ず」37%、「おそらく」6%)を上回ったものの、4ポイントの差にとどまった(「決めていない」は10%)。

共和党予備選を想定した問いでは、トランプ氏が59%の支持を集めて圧倒的リードを維持した。2位以下は、ヘイリー氏(15%)、ロン・デサンティス氏(フロリダ州知事、14%)、ビベク・ラマスワミ氏(実業家、4%)らが続いた(注2)。一方で、同紙によると、連邦議会議事堂襲撃事件などを巡るトランプ氏に対する起訴と裁判の行方を注視する有権者の存在も指摘されている。

また、世論調査によっては、バイデン大統領との直接対決を想定した場合、トランプ氏がヘイリー氏より好結果との結果も示されている。米国ボストンのエマーソン大学が12月8日に発表した世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注3)によると、2024年大統領選挙の直接対決を想定した問いで、バイデン氏とトランプ氏の直接対決を想定した場合では、トランプ氏(47%)がバイデン氏(43%)を上回った(「決めていない」は9%)。また、バイデン氏とヘイリー氏の直接対決を想定した場合では、互角(ともに39%)だった(「決めていない」は23%)。共和党予備選を想定した問いでは、トランプ氏が64%と首位で、ヘイリー氏(14%)、デサンティス氏(7%)、ラマスワミ氏(4%)らが続いた。

いずれの直近世論調査でも、共和党予備選を想定した問いでは、トランプ氏がヘイリー氏を大きくリードする一方、ヘイリー氏は共和党候補者討論会での評価も高く(2023年12月11日記事参照)、11月には米国政治団体の「繁栄のための米国人(AFP)アクション」がヘイリー氏支持を表明するなど(2023年11月30日記事参照)、ヘイリー氏を後押しする動きもある。

米国シンクタンクのブルッキングス研究所のファウンディングディレクターのエレン・カマーク氏は「ヘイリー氏はその勢いをさらに多くの票につなげなければならない。トランプ氏が生み出す混乱と無秩序を利用し、トランプ氏を脱線させ、いま手にしているような好機をさらに積み上げていかなければならないだろう」と指摘している。

(注1)     実施時期は11月29日~12月4日、対象者は全米の登録有権者1,500人。

(注2)     回答者数は共和党予備選投票予定者419人。

(注3)     実施時期は12月4~6日。対象者は全米の登録有権者1,000人。小数点以下は四捨五入しているため、合計値は必ずしも100にならない。

(松岡智恵子)

(米国)

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