サイクロンによる大雨・暴風でチェンナイ都市機能が一時まひ

(インド)

チェンナイ発

2023年12月11日

インド南部に上陸したサイクロン「ミチャウン(Michaung)」は12月3~4日に、タミル・ナドゥ(TN)州都チェンナイと周辺地域に大雨・暴風をもたらした。降雨の多い地域では、雨量が24時間で196ミリに達し、チェンナイ市南西部ナンガムバカムでは3日間で530ミリに上った。このサイクロンによるチェンナイの死者は20人(12月8日午前時点)となっている。

中央政府はサイクロン被害の救援や洪水対策費用として、チェンナイを含むTN州に総額101億1,290億ルピー(約172億円、1ルピー=約1.7円)を拠出すると発表した(12月7日午後時点)。

住宅への浸水被害が多く出た。TN州政府は12月4~5日をチェンナイと周辺地域の臨時休日に定め、政府機関や学校などは閉鎖された。州政府は排水設備などのインフラ整備に力を入れて行ってきたが、十分とは言えず、大雨・洪水対策として継続したインフラ整備が不可欠だ(注1)。

写真 大雨による住居への浸水状況(ジェトロ撮影)

大雨による住居への浸水状況(ジェトロ撮影)

写真 暴風による倒木。1本の木が割れた状態(ジェトロ撮影)

暴風による倒木も発生(ジェトロ撮影)

チェンナイ空港では運航が一時休止されたほか、チェンナイ近郊の主要港のチェンナイ港、カマラジャ(エンノール)港、カトゥパリ港のオペレーションも一時停止した。ジェトロが現地の日系物流業者へヒアリングを行ったところ、空港や各港で5日から徐々にオペレーションは再開したものの、状況に応じて変更される可能性もある(12月7日ヒアリング)。

一方で、チェンナイ周辺の工業団地への影響は限定的で(12月7日ヒアリング、注2)、ルノー日産のチェンナイ工場は6日に操業を再開したもようだ。

(注1)洪水の被害状況には地域差がある。

(注2)浸水が多かった住居地域と工業団地は比較的離れている。

(浜崎翔太)

(インド)

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