11月の輸出額は2023/2024年度最高額を記録も、前年同月比では減少

(バングラデシュ)

ダッカ発

2023年12月11日

バングラデシュ輸出振興庁(EPB)が12月に発表した輸出統計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、11月単月の輸出額は47億8,481万ドルで、2023/2024年度(2023年7月~2024年6月)で最高額を記録したものの、前年同月比では6.0%減だった。輸出額は2023/2024年度に入り、9月まで前年同月比でプラス成長だったが(2023年10月17日記事参照)、10月以降は主力の衣料品を中心にマイナスに転じており、特に布帛(ふはく)類(HSコード第62類)の減少幅が大きい状況にある(添付資料表1参照)。

国別輸出統計は主要品目別統計から遅れて発表されるため、2023/2024年度の同統計は10月まで公開されている。日本向け輸出は前年同期比12.9%増の約6億3,200万ドル(輸出額全体の3.6%)で、主要国別ではスペイン(16.9%増)、英国(14.1%増)に次いで高い伸び率だった。また、バングラデシュの最大輸出相手国の米国向けは前年比で減少傾向にあり、6.8%減の約28億6,500万ドル(輸出額全体の16.4%)だった(添付資料表2参照)。

クミッラ輸出加工区(EPZ)で子供服の企画・製造、輸出を手掛けるキャットガーメント(本社:東京都)の桑江央最高執行責任者(COO)は輸出の現状と見通しについて、「この時期は当社の主力の日本向け春物商品の出荷がピークを迎えており、輸出量は例年とほぼ同じ水準になっている。今月から縫製工員の最低賃金が約50%引き上げられた影響で生産コストが高騰している中、取引先からの理解を得ることも難しく、取引価格への転換がどの程度認められるかが今後の懸念材料となっている」と語った(ジェトロ取材:12月10日)。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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