紅海通過の貨物船舶数は27%減、積載量は35%減、IMF推計

(イエメン、イスラエル、パレスチナ、英国、世界)

テルアビブ発

2023年12月28日

IMFと英国のオックスフォード大学が共同で開発した、衛星からの情報を基に船舶データを提供する「ポートウォッチ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、アラビア半島南西端とアフリカ大陸との間にあるバブ・エル・マンデブ海峡を通過する船舶数は、12月27日時点の7日移動平均で前年同時期と比べ27%減少、積載量では同時期と比べて35%減少していることが分かった。

12月27日にバブ・エル・マンデブ海峡を通過した貨物船は22隻、タンカーは17隻で、27日までの7日移動平均の船舶数は54隻、前年同時期は74隻だった。

また、積載量ベースでは、12月27日の貨物積載量は222万メトリックトンで、27日までの7日移動平均の貨物積載量は328万メトリックトン、前年同時期は507万メトリックトンだった。

イエメンの武装組織フーシ派による、紅海を航行中の商船への攻撃が増加していることを受けて、海運大手ドイツのハパックロイド、スイスのMSC、デンマークのマースク、フランスのCMA CGM、台湾のエバーグリーン、英国石油大手BPなどが紅海を通る経路を回避し、南アフリカ共和国の喜望峰回りなどへのルート変更を発表した(2023年12月25日記事参照)。

なお、こうした状況を受け、ロイド・オースティン米国防長官は紅海での海運の安全確保に向けた多国間の取り組みを発表した(2023年12月19日記事参照)。英国、バーレーン、カナダ、フランス、イタリア、オランダ、ノルウェー、セーシェル、スペインなどが参加し、紅海南部とインド洋のアデン湾で共同パトロールを行う。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(中溝丘)

(イエメン、イスラエル、パレスチナ、英国、世界)

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