ニュージーランドでラクソン新首相が就任、3党連立政権誕生

(ニュージーランド)

シドニー発

2023年12月11日

10月14日のニュージーランド総選挙で勝利した国民党のクリストファー・ラクソン党首(2023年11月13日記事参照)は、11月27日にニュージーランド総督による宣誓式を経て、第42代首相に正式に就任した。第1党の国民党(中道右派)とACT党(右派)合わせても選挙の結果過半数に至らなかったため、ニュージーランド・ファースト党(中道)も含めた3党連立政権となった。ラクソン首相が誕生するまでには、連立協議に数週間を要した。11月23日付公共放送ラジオニュージーランド(RNZ)によると、タルボットミルズ研究所が11月17~22日に実施した世論調査において66%の回答者が連立協議が長すぎると回答した、と報じた。

ラクソン首相は新内閣を発足させ、同日付で閣僚を発表した(添付資料表参照)。閣内大臣は合計20人で、第1党の国民党から14人、第2党のACT党から3人、第3党のニュージーランド・ファースト党から3人選出された。

副首相(兼外務相、競馬担当相)にウィンストン・ピーターズ氏(ニュージーランド・ファースト党、党首)、財務相(兼行政サービス担当相、社会投資相)にニコラ・ウィリス氏(国民党)、規制担当相にデービット・シーモア氏(ACT党、党首)が就任した。副首相の職は、ピーターズ氏からシーモアACT党首が、任期3年の折り返し時点である2025年5月31日に受け継ぐことが決まっている。

ラクソン首相は11月29日に、新内閣発足後初となる記者会見を行った。ラクソン首相は、ここ数年インフレによる生活費の高騰で長い間国民が苦しんでいることに言及し、こうした問題に対処するための新政権発足から100日間に行う行動計画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。ラクソン首相率いる国民党が選挙公約の1つとしてまとめていた計画に、このたびACT党とニュージーランド・ファースト党の各優先事項を統合したもの。3つの分野である、(1)経済再建と生活費高騰対策、(2)法と秩序の回復、(3)より良い公共サービスの提供、で構成された49の行動目標を明らかにした。ビジネス関係では、再生可能エネルギー発電の倍増、前政権による燃料税増税計画の廃止、国家インフラ庁の新設検討、賃貸住宅の開発を行いやすくするための2005年海外投資法の改正に関する政策決定などが盛り込まれている。

(青島春枝)

(ニュージーランド)

ビジネス短信 e24ed4dd2d69699c