東アフリカ共同体(EAC)、ソマリアの加盟を承認

(ソマリア、アフリカ)

ナイロビ発

2023年12月06日

東アフリカ共同体(EAC)が本部を構えるタンザニアのアルーシャで11月24日に開催されたEAC首脳会議において、ソマリアの加盟が承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。5月31日に正式な加盟申請がなされた(2023年6月14日記事参照)のち、約半年でのスピード承認となった。

ソマリアは2012年、2017年、2019年と過去3回にわたりEACへの加盟を申請したが、治安情勢やガバナンスの脆弱(ぜいじゃく)さを理由に、これまで承認は見送られてきた。2022年5月に誕生したハッサン・シェイク・モハムッド大統領は、国際社会からの後押しを受けつつ、治安回復を目指しているが、イスラム過激派勢力アル・シャバーブの活動は衰えていない。ソマリアと国境を接するケニアでは、EAC域内の人の移動の自由化によるテロリストの流入を懸念する声も出ている。

EACは現在、ケニア、ウガンダ、ルワンダ、タンザニア、ブルンジ、南スーダン、コンゴ民主共和国(DRC)の7カ国で構成され、人口約1,700万人のソマリアを加えると総人口は約2億8,400万人に拡大する。今後、加盟条約への署名後6カ月以内にソマリアは批准書を寄託しなければならない。EACは次の首脳会議までに、閣僚レベル会合においてソマリアの加盟にかかるロードマップを策定していく予定としている。しかし、ソマリアは長く続いた内戦により、ケニア、タンザニア、ウガンダなどのEAC主要国との経済力の差が大きいほか、EAC条約が求める民主的な国家運営や司法制度も不十分で、インフラ整備も大きく遅れている。そのため、実質的にEACのルールが適用され、統一市場が形成されるには長い時間を要することが予想されている。

(佐藤丈治)

(ソマリア、アフリカ)

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