モディ首相、5年ぶりのインド最大投資誘致イベント(VGGS)で開会演説

(インド、日本)

アーメダバード発

2024年01月16日

インド西部グジャラート(GJ)州都ガンディナガールのマハトマ・マンディール国際会議場で1月10日、ナレンドラ・モディ首相を迎えた「第10回バイブラント・グジャラート・グローバル・サミット外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(VGGS)」が開幕した。同サミットは今回で20周年を迎える、モディ首相肝いりのインド最大の投資誘致イベントだ(隔年開催)。2022年1月は新型コロナ禍のため延期され、5年ぶりの開催となった。

開会式には、アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領、チェコのペトル・フィアラ首相、モザンビークのフィリペ・ニュシ大統領、東ティモールのジョゼ・ラモス・ホルタ大統領らを含む130カ国以上からの政官財界の要人、GJ州のブペンドラ・パテル州首相らが出席した。

民間の来賓としては、世界有数の鉄鋼メーカーであるアルセロール・ミッタルのラクシュミ・ミッタル会長、インドの大手財閥リライアンス・インダストリーズのムケシュ・アンバニ会長、アダニ・グループのゴータム・アダニ会長、タタ・サンズのナタラジャン・チャンドラセカラン会長などの著名財界人と並び、日本企業を代表してスズキの鈴木俊宏社長が登壇した。また、インド政府とGJ州政府が推進する半導体製造分野を象徴し、米国マイクロン・テクノロジー、韓国シムテック、米国エヌビディアの最高幹部らが来賓あいさつを行った。

モディ首相は開会宣言において、「インドがアムリット・カール(不老不死の時代、注)を迎えてはじめて開催される今回のVGGSは、新たな願望、決意、達成のための重要なプラットフォーム機能で、投資家のみならず、若いクリエイターや消費者の願望をかなえるものとなる。私は今後数年でインドを世界第3位の経済大国とする決意であり、インドは不確実性に満ちた今の世界における希望の光だ。VGGSへの100カ国以上からの参加者は、インドの成長ストーリーに新たな勢いを吹き込むだろう」と語った。

写真 VGGS2024の開会演説を行うモディ首相(グジャラート州首相府提供)

VGGS2024の開会演説を行うモディ首相(グジャラート州首相府提供)

1月12日まで開催のVGGSは、(1)産業テーマ別シンポジウム、(2)国別セミナー、(3)商談会、(4)併催展示会などで構成された。前回2019年の第9回は、135カ国から約4万2,000人が参加、20万平方メートルの展示会場に1,200以上の商談ブースが設置され、2,450件の商談実績があったとされる(VGGS公式ホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ジェトロは今回、州政府指定のパートナー組織として、(1)日本ビジネスミッション(約200人)の参加登録、(2)ジャパン・セッション(半導体、グリーンがテーマの国別セミナー)、(3)展示会でのジャパンパビリオン出展(半導体、グリーンなど、計28社の商談ブースおよび広報ブースを設置)、(4)インダストリアル・ツアー催行〔(1)国際金融特区GIFTシティー(2)ドレラ特別投資地域(3)インド工科大学(IIT)ガンディナガールとのスタートアップ(SU)アクセラレーターの3コース〕という「4つの取り組み」を実施し、州政府が投資を待望する日本企業の参加をサポートした。

写真 ジャパンパビリオンに立ち寄り鈴木浩駐インド大使と握手するモディ首相(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンに立ち寄り鈴木浩駐インド大使と握手するモディ首相(ジェトロ撮影)

(注)モディ首相がインドの75回目の独立記念日に全国民に紹介したコンセプト。アムリット・カールとは、独立100年となる2047年の「新しいインド」に対する首相のビジョンで、「国民の願望を実現するチャンスをもたらす国の新たな夜明け」とされる。アムリット・カールの5つの基本には、インド発展の目標、植民地時代の考え方の痕跡の排除、ルーツへの名誉と誇り、団結の発展、市民の義務感などが含まれる。

(古川毅彦)

(インド、日本)

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