2023年の中国ラオス鉄道の輸送量が前年比約2倍に

(中国、ラオス)

成都発

2024年01月12日

中国税関は1月4日、2023年の中国ラオス鉄道の国際貨物輸送量が前年比94.9%増の421万7,700万トンに達したと発表した。また、2023年1~11月の貿易統計によると、中国とラオスの貿易総額は前年同期比33.1%増の439億2,330万元(約8,784億6,600万円、1元=約20円)、うち輸出額は203億2,808万元(50.9%増)、輸入額は235億9,524万元(20.8%増)となった。

中国の雲南省昆明市とラオスの首都ビエンチャンを結ぶ同鉄道は、2021年12月3日に開通した(2023年4月26日記事参照)。雲南省商務庁によると、中国からラオスへ工業設備や通信機器、電子製品、自動車、日用品など、ラオスから中国へは天然ゴムやタピオカ粉、鉱石などの鉱物資源などが主に輸送されているという。雲南省政府は、2023年10月までに同鉄道の取り扱い品目は2,700品目に拡大したと述べている。

同鉄道は、中国とラオス、タイ、ベトナム、ミャンマーなど「一帯一路」沿線国の12カ国との物流ルートで活用され、中国西南地域の重慶市および四川省成都市を基点とした東南アジア諸国までの輸送ルートも拡充されている。2023年12月15日には、タイのラヨーン県と成都市を結ぶ鉄道輸送路線の運行が開始した。本路線のルートとしては、タイ・ラヨーン県からラオス・ビエンチャンを経由し、雲南省のモーハン(磨憨)口岸(注)を経て成都市に通じる新たな物流ルートだ。本路線を活用して、タイからドリアン、リュウガンといった果物やゴムなどが中国へ輸送されている。また、中国国営メディア「新華社」によると、2023年12月29日に、重慶市からラオス・ビエンチャンを経てタイ・バンコクを結ぶ路線が運行開始した。同ルートでは、重慶市からバンコクまでの輸送時間を、海上輸送と比較して約20日短縮し、輸送コストも20%削減した(「新華社」2023年12月29日)。

(注)税関が2国間の国境などに設置した検問所。

(王植一)

(中国、ラオス)

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