輸入申告者の財務能力評価制度を撤廃

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2024年01月12日

アルゼンチン政府は1月10日、公共歳入連邦管理庁(AFIP)・商業庁共同一般決議5478/2024号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、輸入申告時の政府の介入をさらに減らした。具体的には、アルゼンチン共和国輸入システム(SIRA)に代わって導入された輸入統計システム(SEDI)で輸入申告をする際、申告者の財務能力を評価するプロセスを削除した。

12月26日のSEDI導入当初はSIRAと同様、納税者の外国貿易を含む特定の経済行為を遂行する能力を月単位で評価する「経済・財務能力制度(CEF)」を使って、申告者の財務能力を評価していた。輸入者をCEFで評価するプロセスは、公式為替レートとブルーレートと呼ばれる並行為替レートの乖離幅が大きくなり、過大評価された公式為替レートが輸入増につながったことを問題した前政権がSIRAと同時に導入したものだ。つまり、企業規模に見合わないような大きな輸入をさせないよう監視を強化した。その結果、SIRAでは、CEFの評価によって輸入申告そのものがブロックされる事態も発生していた。

政府は今回、対外貿易手続きの標準化と円滑化を進めるため、CEFによる評価プロセスを削除することにした。ただし、入手可能な情報により、輸入者の納税状況を分析するプロセスは残るとしている。

また、今回の決議は、未払いの輸入代金の把握を目的に創設した「外国サプライヤーに対する輸入に関する商業債務登録簿」への登録期限について、当初の期限の1月10日から1月24日まで延長した。複数の日系企業により、クーリエによる輸入の未払い輸入代金の登録ができないなど、登録システムに不備があったため、登録期限は延長される可能性があるとの金融機関発の情報が以前から寄せられていた。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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