フィンランド輸出企業、4割が2024年の輸出増見込む、地政学リスクへの懸念も

(フィンランド)

ロンドン発

2024年01月09日

フィンランド商工会議所は2023年12月21日、輸出を行う会員企業の責任者を対象に行った調査結果(期間:12月12~14日、回答企業数:88社)を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2023年と比較した2024年の輸出見通しについて、回答企業の43%が増加、20%が減少と回答した。減少の背景として、94%が需要の低迷、78%が世界経済の低迷と回答している。

また、地政学的な不確実性が収益性に影響を与えると回答した輸出企業は、全体の9割を超えた。講じている対策として、バリューチェーンとサプライチェーンの再評価と多角化、情報セキュリティーの強化、新たな輸出市場の開拓などが挙げられた。

人権や環境に対する企業責任、中小企業でも3分の2が考慮

また、同所は、12月14日にEU理事会(閣僚理事会)と欧州議会の間で暫定的な政治合意がなされた、企業活動による人権や環境への悪影響を予防・是正する義務を特定の企業に課す企業持続可能性デューディリジェンス指令案(2023年12月19日記事参照)について、12月15日にコメントを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。中小企業を対象とした同所による調査では、企業責任および持続可能性について戦略策定時に考慮していると回答した割合が約3分の2だったとし、同国企業の間でも既によく認識されているとした。一方、同指令案によりあらゆる規模の企業で関連する専門人材が必要になると強調し、持続可能性の要件を満たせない企業はバリューチェーンから除外されてしまう恐れがあるとした。

(松丸晴香、半井麻美)

(フィンランド)

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