12月のコロンボのインフレ率、前年同期比4.0%、3カ月連続で上昇

(スリランカ)

調査部アジア大洋州課

2024年01月23日

スリランカ・センサス統計局(DCS)は12月29日、コロンボの12月の消費者物価指数(CCPI)上昇率(インフレ率、注)が前年同月比4.0%だったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(添付資料図参照)。11月の3.4%からは0.6ポイントの上昇となり、コロンボのインフレ率は2023年10月から3カ月連続の上昇となった。同インフレ率の上昇は2023年11月のスリランカ中央銀行(CBSL)の予測にほぼ沿ったものだった。

食品部門のインフレ率は、5カ月間続いたデフレの後、2023年11月のマイナス3.6%から12月には0.3%(前年同月比)に転じた。一方、非食品部門のインフレ率は11月の6.8%から12月には5.8%(前年同月比)とさらに低下した。

ただしDCSによると、エネルギー料金と非食品部門の価格は11月に比べていったん下がったものの、引き続き高騰の傾向は続くという。また2022年9月に69.8%を示しピークに達したインフレ率(2023年6月6日記事参照)は、2023年9月には1.3%の低水準まで下がったが(2023年10月13日記事参照)、その後は再び上昇傾向にある。

DCSはさらに、同国のインフレ率は適切な政策措置とインフレ期待の定着に支えられ、中期的には目標水準の5%前後で安定すると予想されるものの、1月1日から18%に引き上げられた付加価値税(VAT)の影響を受け(2023年11月9日記事参照)、インフレ率が一時的に上昇する可能性があると述べた。

CBSLが1月10日に公表した「年次政策声明―2024年以降の金融・財政政策」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の冒頭で、CBSLのP.ナンダラル・ウィーラシンハ総裁は、歴史的な高水準まで加速したインフレ率が1年以内に目標水準まで低下したことに触れ、広範な政策経済の信頼と安定の回復を目指した一連の政策措置は、短期的な痛みを伴うものの、インフレ期待の安定化に寄与している、として評価した。

(注)コロンボ・ベースのCCPIは基準年2021年=100としている。

(寺島かほる)

(スリランカ)

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