12月の消費者物価上昇率、前年同月比3.9%に鈍化、前月比は6カ月ぶりのマイナス

(チリ)

サンティアゴ発

2024年01月16日

チリ統計局(INE)は1月8日、2023年12月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前月比マイナス0.5%、前年同月比3.9%と発表した(添付資料図参照)。前月比でマイナスを記録したのは6カ月ぶり。前年同月比はチリ中央銀行の予想(4.5%)を下回り、2021年から継続していたインフレは落ち着きつつある。

費目別CPI上昇率の前月比では、全12項目中10項目でマイナスがみられ、下落幅が大きかったのは、娯楽・文化(マイナス2.8%)、衣類・靴類(マイナス1.1%)、食品・飲料(酒類を除く、マイナス0.8%)の順だった(添付資料表参照)。娯楽・文化の下落は観光パッケージ、航空輸送サービス、ガソリンなどの価格低下によるもので、食品・飲料(酒類を除く)の下落は野菜や豆類、乳製品、卵などの価格の低下によるものだった。一方で、レストラン・ホテルは12項目中で唯一上昇しており、主にレストランやカフェなどの飲食店における価格の上昇によるものだった。

中銀が12月に発表した金融政策報告書によると、インフレ率は今後も低下を続け、2024年の下半期には中銀の目標値である3.0%まで下がると予想されており、今後の政策金利決定会合においても、引き続き同金利の引き下げが見込まれている。

(岡戸美澪)

(チリ)

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