2023年の貿易額、輸出入ともに前年を下回るも貿易黒字は継続

(インドネシア)

ジャカルタ発

2024年01月26日

インドネシア中央統計庁(BPS)が1月15日に発表した輸出入のデータによると、2023年通年の輸出額は資源価格の低下や最大の貿易相手国である中国の景気減速の影響などから前年比11.3%減の2,588億1,890万ドル、輸入額は原材料・補助材料の減少を背景に6.6%減の2,218億8,570万ドルとなり、いずれも過去最大だった2022年を下回った。貿易収支は、32.2%減の369億ドル3,320万ドルとなり、2020年以降4年連続で黒字になった。なお、12月単月では、輸出額が前年同月比5.8%減の224億1,390万ドル、輸入額が3.8%減の191億670万ドルとなった(添付資料表参照)。

2023年通年の輸出総額の93.9%を占める非石油・ガスについて、品目別にみると、鉱物性燃料が前年比20.8%減の435億7,200万ドル、動植物性油脂が19.1%減の284億5,400万ドル、鉱石・スラグ・灰が15.3%減の87億2,090万ドルとなった。輸入は、品目の用途別にみると、消費財と資本財が前年比で2022年を上回る一方、原材料・補助材料は11.1%減となった。

非石油・ガスの輸出先では、中国が前年比1.8%減の623億3,510万ドルで首位となり、米国が17.6%減の232億3,620万ドル、インドが12.9%減の202億8,150万ドル、日本が18.6%減の188億8,780万ドルと続いた。輸入先では、非石油・ガス輸入全体の33.4%を占めた中国が7.4%減少の621億8,200万ドルとなったほか、日本が3.7%減の164億3,860万ドル、タイが6.5%減の101億4,260万ドルと続いた。

財務省財政政策庁(BKF)のフェブリオ・カチャリブ長官は「2023年のインドネシアの輸出額鈍化にはパーム油や石炭といったインドネシアの主要輸出商品の価格低下、および主要貿易相手国の景気減速が影響した。2024年の見通しについては様々な国際機関が世界的な経済成長鈍化、一次産品の国際価格低下を予測しており、インドネシアも引き続き影響を受けることが予想されるが、政府は引き続き輸出品の競争力強化、主要貿易相手国の多様化などを通じて対応する」とした(「ビスニス」1月16日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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