欧州中央銀行、3会合連続で主要政策金利を据え置き

(EU、ユーロ圏)

デュッセルドルフ発

2024年01月26日

欧州中央銀行(ECB)は1月25日、フランクフルトで開催した政策理事会後の記者会見で、3つの主要金利の据え置きを決定したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。12月14日に開催された前回会合(2023年12月15日記事参照)に続き、3会合連続の据え置きとなる。主要金利はそれぞれ、政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)は4.50%、限界貸付ファシリティー金利(オーバーナイト貸し出し、翌日返済)は4.75%、預金ファシリティー金利は4.00%が維持される。

ECBは、エネルギー価格の上昇に基づくインフレを除けば、基調的なインフレ率の低下傾向は続いているとした。過去の利上げは金融情勢に力強く反映されており、逼迫した資金調達環境が需要を減退させ、インフレ率の押し下げに寄与していると続けた。

ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は記者会見で「過去のエネルギーショックや供給網のボトルネック、新型コロナウイルス感染拡大後の経済再開の影響が薄れ、金融引き締め政策が引き続き需要を減少させている」と述べ、「インフレは今年(2024年)中にさらに緩和すると予想される」と続けた。また、現在の主要金利が十分に長期間維持されれば、インフレ率2%の目標達成に大きく貢献する水準にあるとして、今後もデータに基づくアプローチに従って金利水準と期間を決定すると続けた。金利引き下げに関する記者の質問には、「利下げの議論をするのは時期尚早だというのが理事会の総意だった」と答えた。

次回の金融政策に関する理事会は3月7日を予定している。

(作山直樹)

(EU、ユーロ圏)

ビジネス短信 c1af8d2e077fb880