2023年のミャンマーPMIは低下傾向、景気後退が鮮明に

(ミャンマー)

調査部アジア大洋州課

2024年01月12日

米国金融情報会社S&Pグローバル(以下、S&P)の2024年1月1日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2023年12月のミャンマーの製造業購買担当者景気指数(PMI)(注)は42.9と4カ月連続で低下した(添付資料図参照)。

S&Pは景気後退の原因を、軍と反政府勢力との戦闘の激化と、それに伴う企業の新規受注の急減、外貨不足や資材不足、停電などによる制約、またインフレに伴う原料高やチャット安による調達コスト高などとし、先行きについても楽観的な見方が弱まったとしている。

特に、ミャンマーの縫製産業は、輸出による外貨の獲得と多くの雇用の創出でミャンマー経済に貢献している。しかし、同産業の2023年1~10月における輸出額は、貿易統計(Global Trade Atlas)によれば、最大の輸出先であるEU向けが22億1,900万ドルとなり、前年同期比で19%も減少するなど、事業環境の悪化による同産業における受注減を裏付ける結果となっている。

(注)製造業の購買責任者らの景況感。生産高や新規受注、在庫レベル、雇用状況などの指数に一定のウエートを掛けて算出する指数。0から100の間で変動し、50.0は「前月から横ばい」、50.0を超えると「前月比で改善や増加」を意味して景気拡大を示す。一方、50.0未満は「前月比で悪化や減少」として景気減速を表す。

(アジア大洋州課)

(ミャンマー)

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