12月のカナダ消費者物価指数、前年同月比3.4%上昇

(カナダ)

トロント発

2024年01月17日

カナダ統計局が1月16日に発表した12月の消費者物価指数(CPI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、前年同月比で3.4%上昇と、11月(3.1%、2023年12月20日記事参照)に続く3%台の上昇だった(添付資料表参照)。

統計局では、上昇の要因としてまずガソリン価格(1.4%上昇)を挙げた。ただし、ガソリン価格は前月比では4カ月連続で下落しており、11月の前年同月比下落(7.7%減)から12月に反転して上昇したのは、2022年12月のガソリン価格が月次ベースで下落したことによる基準年効果だ。ガソリンを除いたCPI上昇率は前年同月比で11月(3.6%)よりも鈍化し、3.5%の上昇となった。

その他の物価上昇要因としては、航空運賃や燃料油、乗用車、家賃などを挙げている。また、店舗売りの食品価格(外食での食品価格を除いた食品価格)は12月に前年同月比4.7%上昇と、11月の4.7%上昇に続く高い水準となった。一方、旅行ツアー価格が前月比18.2%減と大幅に下落し、上昇の緩和の一因となった。

発表を受けて同日、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)傘下のRBCエコノミクスのエコノミスト、クレア・ファン氏は「3カ月年率換算では、インフレ圧力の幅は引き続き縮小・改善し、物価上昇圧力が引き続き緩和していることを示唆している。昨日発表された四半期ごとのカナダ中央銀行調査でも、物価上昇の鈍化が続くとの見方を示した。これは、景気後退と消費者需要の低迷を背景に、今後1年間は企業が値上げを手控えると見込まれるためだ。中銀は慎重な姿勢ながら、2024年半ばには利下げに軸足を移すと予想する」とコメントした(RBC経済アップデート1月16日)。

なお、2023年通年のCPIもカナダ統計局が同日に発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これによると、2023年は年平均で3.9%上昇と、40年ぶりの高水準であった2022年の6.8%に続く高い上昇率となった。

(斎藤健史)

(カナダ)

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