第37回アフリカ連合(AU)総会開催、加盟国の結束の減退を指摘

(アフリカ、コンゴ民主共和国、ルワンダ、モーリタニア、ブラジル、スーダン)

ナイロビ発

2024年02月22日

アフリカ連合(AU)は2月17~18日、エチオピアの首都アディスアベバのAU本部で、第37回年次総会首脳級会合を開催した。議長は加盟国が持ち回りで担当しており、2024年はモーリタニアのモハメド・ウルド・エルガズアニ大統領が議長を務めている。

2024年末に任期を迎えるAUのムーサ・ファキ委員長は、自身が委員長を務めた7年間を振り返り、AUの活動の成果と課題について言及した。成果については、AUの機構改革、アフリカ大陸自由貿易圏の推進、平和基金の設立、特にアフリカ感染症センターなどの保健分野での新組織の設立、気候変動やグローバル・ガバナンス改革、アフリカ平和維持活動への拠出などに対するアフリカ共通ポジションの強化、そしてAUのG20への正式参加などをあげた。

一方で、課題について、ファキ委員長は「アフリカの結束に向けた美しい精神や汎アフリカ主義、復活の精神が減退している」と懸念を表明し、リビア、スーダン、アフリカの角、大湖地域(コンゴ民主共和国東部)、サヘル地域の安定化およびセネガルの選挙延期などをあげた。今回の総会には、クーデターによる非民主的な政権奪取を理由にAUの制裁下にあるガボン、ニジェール、マリ、ギニア、スーダン、ブルキナファソの6カ国は招待されなかった。また、報道によると、期間中には、コンゴ民主共和国東部における反政府武装勢力「3月23日運動(M23)」をめぐるコンゴ民主共和国とルワンダの対立激化(2022年12月9日記事参照)を緩和するための関係国による対話も開かれたが、進展は見られず、スーダンについても対話が計画されていたが、結局開催されなかったという。

なお、今回の総会にはブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領が出席し、ブラジルで開催される2024年のG20と、2025年の国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)に向けて、グローバルサウスとしてアフリカとの連携を呼びかけた。

(佐藤丈治)

(アフリカ、コンゴ民主共和国、ルワンダ、モーリタニア、ブラジル、スーダン)

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