フーシ派の攻撃により紅海航路から喜望峰迂回の動き拡大、IMF推計

(イエメン、英国、エジプト、南アフリカ共和国、イスラエル、パレスチナ)

テルアビブ発

2024年02月19日

イエメンの武装組織フーシ派による紅海を航行中の商船への攻撃が継続していることを受け、2月に入っても紅海航路を回避する動き(2024年1月10日記事参照)が拡大している。IMFと英国オックスフォード大学が共同で開発し、衛星からの情報を基に船舶データを提供する「ポートウオッチ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、アラビア半島南西端とアフリカ大陸との間にあるバブ・エル・マンデブ海峡やスエズ運河を通過する船舶数が前年同時期に比べてさらに減少する一方、南アフリカ共和国の喜望峰を通過する船舶数が引き続き増加していることが明らかになった。

バブ・エル・マンデブ海峡を通過する船舶数外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、2月11日までの7日移動平均で前年同時期と比べ54%減少し、積載量では同時期と比べて61%減少した。7日移動平均の船舶数は32隻、前年同時期は70隻だった。また、積載量ベースでは、7日移動平均の貨物積載量は181万メトリックトン(MT)、前年同時期は465万MTだった。

スエズ運河を通過する船舶数外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも、2月11日までの7日移動平均で前年同時期と比べ44%減少し、積載量では同時期と比べて58%減少した。7日移動平均の船舶数は39隻、前年同時期は70隻だった。また、積載量ベースでは、7日移動平均の貨物積載量は200万MT、前年同時期は476万MTだった。

一方、喜望峰を通過する船舶数外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、2月1日までの7日移動平均で前年同時期と比べ75%増加、積載量では同時期と比べて71%増加した。7日移動平均の船舶数は77隻、前年同時期は44隻だった。また、積載量ベースでは、7日移動平均の貨物積載量は646万MT、前年同時期は378万MTだった。

「アルジャジーラ」(2月17日)などによると、フーシ派の報道官は2月17日、紅海を航行していた英国の石油タンカー「ポラックス」に対して多数のミサイル攻撃を行ったとの声明を発表した。ロイター(2月6日)によると、フーシ派の指導者アブドルマリク・フーシ氏は、イスラエルがパレスチナ自治区ガザに対する攻撃を停止しなければ、フーシ派は行動を一段とエスカレートさせると述べている。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(中溝丘)

(イエメン、英国、エジプト、南アフリカ共和国、イスラエル、パレスチナ)

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