ジェトロ、事業者ニーズを基に、浜松で輸出担当者の交流会を初開催

(静岡)

浜松発

2024年02月07日

ジェトロは130日、海外展開に向けたネットワーキングイベントを初開催した。ジェトロ浜松貿易相談会講師の有本泰夫氏と、ジェトロ静岡の峯裕一朗係長が中小企業の海外展開に向けた情報提供をし、輸出などに関わる課題共有や情報交換も担当者間で積極的に行われた。

有本氏は「中小企業の海外展開の取り組み事例」について解説。日本政策金融公庫の「中小企業の海外展開と国内回帰に関する調査結果(20236月)」に基づき、小規模事業者でも海外で売り上げの大半を上げる日本企業もあることや、ジェトロ活用事例などから、ニッチな商材を強みに、海外市場を取り込んでいる企業の取り組み事例を複数紹介した。

写真 講師の解説の様子(ジェトロ撮影)

講師の解説の様子(ジェトロ撮影)

ジェトロ静岡の峯係長は「ドイツの食品展示会ANUGAから見た欧州の食品事情」について説明。Sustainable growth(持続可能な成長)をテーマとして取り上げた同展示会を通して、健康や環境が意識される欧州市場の特徴を解説した。欧州市場の取り込みの実現に向けた手段の1つとして、商品がSustainable growthという観点から完璧ではなくとも、それに向けた自社の理念や自社の取り組み状況を消費者に伝える“Positively imperfect”(前向きな不完さ)というマーケティング手法を提案した。

ネットワーキングでは、海外展開に向けた課題や問題意識などを含め、各自が簡潔に自己紹介を行い、共通課題をもつ事業者間での情報交換や意見交換が行われた。これから輸出を始めようとする事業者や、既に海外拠点を持つ輸出経験者などで、海外展開実績や商材の垣根を越えた交流がなされた。

写真 ネットワーキングの様子(ジェトロ撮影)

ネットワーキングの様子(ジェトロ撮影)

事後の参加者アンケートでは、上述の“Positively imperfect”(前向きな不完さ)を消費者に示す方法に共感していることや、今後も他社との交流機会を望む声が上がった。今回のイベントは、輸出者同士の仲間づくりの場が欲しいという事業者の声をきっかけに企画した。知識、情報、経験の共有と交換が海外展開の後押しとなる様子がうかがえた。

(田辺知樹)

(静岡)

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