中東からの訪日外客数が増加傾向、フライト増便やビザ緩和の影響

(中東、湾岸協力会議(GCC)、トルコ、イスラエル、日本)

調査部中東アフリカ課

2024年02月06日

日本政府観光局(JNTO)が1月17日に発表した2023年の訪日外客数の統計PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(注)によると、湾岸協力会議(GCC)加盟6カ国〔サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、オマーン、カタール、クウェート〕、イスラエル、トルコの中東8カ国からの2023年の訪日外客数は10万9,600人で、新型コロナウイルス禍前の2019年に比べて、15.2%増となった。2022年比では5.1倍だった。また、2023年12月単月では、2019年同月比29.6%増の7,200人で、12月として過去最高を記録した。

なお、2023年の世界全体からの訪日外客数(2,506万6,100人)は、2019年比では21.4%減、2022年比では6.5倍だった。

JNTOは中東地域からの訪日外客数が増加している背景として、イスラエル・パレスチナ情勢が懸念されるものの、直行便数の増加や、中東地域の一部の国での新たな査証申請・手続きの緩和などの影響を挙げている。2023年は、新型コロナ禍で運休・減便をしていた中東航空会社の日本路線の再開が相次いたのに加えて、8月にはトルコのターキッシュエアラインズのイスタンブール~成田空港間の増便(12月にはさらに増便して毎日運航)や、10月にはUAEのエティハド航空のアブダビ~関西空港間の新規就航(2023年5月31日記事参照)などがあった。

ビザ緩和については、2022年11月からUAE国民への査証免除、2023年3月からサウジアラビア国民・居住者へのオンラインビザ申請、翌4月からカタール国民に対する事前登録制に基づく査証免除措置が開始されている(2023年4月20日記事参照)。

また、JNTOが1月25日に発表した世界22市場を対象とした国外旅行・訪日旅行に関する調査結果PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、今後行きたい旅行先を聞く設問(最大3カ国・地域まで選択)で、中東地域では日本の選択率が26.5%と一番高く、2位の米国(20.5%)を6ポイント上回った。

(注)2023年11月、12月の数字は概数を示す「推計値」。

(稲山円)

(中東、湾岸協力会議(GCC)、トルコ、イスラエル、日本)

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