インド人理工系留学生と日本企業が交流、学生団体が主催

(インド、日本)

調査部アジア大洋州課

2024年02月27日

東京大学と東京工業大学のインド人留学生団体は2月22日、日本での就職を目指すインド人理工系学生と日本企業が交流するイベント「日本インド・スキル・コネクト(ジェトロ、在日インド大使館後援)」を東京都内のインド大使館で開催した。英語で学ぶ学生を中心に、約60人が日本の製造業など9社(注)の人事担当者やエンジニアと面談し、就職やインターンシップの機会について説明を受けた。

共同主催者で、東京大学インド人学生連合会(UTISA)のメガ・シャルマ副会長は、イベントの意義について「日本語を話さない学生は、日本での就職の展望が描けないと感じているが、そんなことはないと伝えたい」と語った。現役の大学院生でもあるシャルマ氏自身も現在学んでいる人工知能(AI)の研究を生かした就職先を探しているという。東京工業大学のインド人学生連合会(ISAT)のビナヤク・グプタ会長は、自身は博士課程修了後に日本で研究者となる計画だが、「今後も定期的に続くイベントになることを望んでいる」と述べている。

横浜国立大学大学院理工学府の男子学生(23歳)は、日本の技術力を学ぶことが日本を留学先に選んだ要因といい、参加企業の1社にインターンを申し込むつもりだと話した。日本語留学を経て東工大工学院に入学した1年生の男子学生(20歳)は、留学先として日本を選んだ理由として治安の良さが両親に認められたことが大きいと説明した。就職はまだ先となるものの、インターンの機会などが見つかることへの期待を示した。

出展企業の担当者からは、「すでに日本にいる人たちなので、短期のインターンを通じて会社を知ってもらうのがいいと思った」「契約社員として入社し、日本語能力を高めてから正社員を目指すプログラムを紹介した」などの声が聞かれた。

写真 日本企業の担当者(右端)と交流するインド人留学生(ジェトロ撮影)

日本企業の担当者(右端)と交流するインド人留学生(ジェトロ撮影)

(注)アルプスアルパイン、デジタルソリューション、タケウチ建設、Space Power Technologies(スペースパワーテクノロジーズ)、金子製作所、高砂電気工業、東京エレクトロン、HumAin(ヒューメイン)、AWLの9社。

(今野至)

(インド、日本)

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