中銀、政策金利を5回連続引き下げ11.25%に

(ブラジル)

サンパウロ発

2024年02月06日

ブラジル中央銀行の金融政策委員会(Copom)が1月31日に開催され、政策金利(Selic)を11.75%から0.50ポイント引き下げ、11.25%にすることを全会一致で決定した。2022年3月以来の最低水準で、金利を下げ始めた2023年8月の会合から5回連続の0.5ポイントの利下げとなる(2023年8月8日記事参照)。中銀は前回会合で、今後の複数の会合で同規模の利下げを続ける可能性があると示唆していたため、それを宣言とおり実行したかたちだ。

Copomは、国際情勢が不確実で、新興国には慎重さが求められると評価した一方、国内については、各種の経済指標は安定しており、Copomの想定するシナリオと整合的と判断している。こうした中、国内外経済の見通しに不確実性もあることから、インフレ率の下方リスクと上方リスクが存在すると強調した。

2023年の拡大消費者物価上昇率(IPCA)は4.62%で、同年末にはインフレ目標の上限4.75%を下回った。2024年のインフレ目標は、国家金融評議会(CMN)が3%(±1.5%)に設定している。2024年末のIPCA中銀週次レポート「フォーカス」によると、前年比3.81%を予測しており、CMNが設定するインフレ目標に収まるかたちとなる。

カンポス・ネト同委員会総裁は金融政策の引き締めを継続する必要性を強調し、次回の会合でも同規模の金利引き下げを予定していると述べた。ただし、金融緩和のレベルは、インフレ率の動向や経済活動の状況に応じて変わる可能性があるとした。

(中山貴弘)

(ブラジル)

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