EUの2023年商用車市場、電動車の新車登録台数は堅調に増加

(EU)

ブリュッセル発

2024年02月05日

欧州自動車工業会(ACEA)は1月26日、EUの2023年の小型商用車(バン)、トラック、バスの新車登録台数(注1)を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、添付資料表1参照)。登録台数はいずれの部門でも前年比増となった。燃料タイプ別では、3部門ともディーゼル車が依然として大部分を占めるが、電動車(ECV、注2)のシェアも着実に拡大している。

バンの新車登録台数は、前年比14.6%増の146万7,001台だった。主要市場では、特にイタリア(前年比22.7%増)とスペイン(22.0%増)が好調だった。バンの燃料タイプ別では、ディーゼル車が全体の82.6%(前年比3.1ポイント減)を占めた。ECVの登録台数は10万台(前年比56.8%増)を超え、全体の7.4%(2.0ポイント増)を占めた。ガソリン車のシェアは6.3%(1.1ポイント増)だった(添付資料表2参照)。ECVは、フランス(前年比76.7%増の約3万台)がドイツ(7.8%増の約2万台)を上回って最大市場となり、両国で全体の半数近くを占めた。スペインとオランダでは前年の2倍以上となり、ACEAはECVの躍進がバン市場に変化をもたらしつつあると評価した。

トラックの新車登録台数は、前年比16.3%増の34万6,986台だった。最大市場のドイツ(前年比24.4%増)を筆頭に、スペイン(22.3%増)やイタリア(11.4%増)、フランス(11.3%増)など多くの国で増加した。トラックの燃料タイプ別では、ディーゼル車が前年同様、全体の95.7%と圧倒的なシェアを維持した。ECVの登録台数は前年の2倍以上の約5,300台で、全体に占める割合は1.5%(前年比0.8ポイント増)だった(添付資料表3参照)。オランダ(前年比約10倍の約1,100台)とドイツ(約2.7倍の約2,100台)の2カ国で全体の約6割を占めた。

バスの新車登録台数は、前年比19.4%増の3万2,593台だった。主要市場では、特にスペインとイタリア(ともに前年比56.2%増)が好調だった。バスの燃料タイプ別では、ディーゼル車が全体の62.3%(前年比4.5ポイント減)、続いてECVが15.9%(2.2ポイント増)だった。主要市場でのECVは、スペインとイタリアの登録台数がともに前年の3.5倍以上、ドイツも好調(29.3%増)だった。シェア3位はハイブリッド式電気自動車(HEV)で、登録台数は前年の約2.2倍となり、シェアは前年から5.7ポイント増の12.8%となった。HEVのフランス、スペイン、イタリアでの登録台数はそれぞれ前年の約3~6倍に増え、ドイツも37.5%増と、主要市場の好調さを反映した結果となった(添付資料表4参照)。

(注1)トラックとバスについては、未公表のブルガリアとマルタを除く25カ国の統計。

(注2)ECV(Electrically Chargeable Vehicle)とは、バッテリー式電気自動車(BEV)とプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)を指す。

(滝澤祥子)

(EU)

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